庭で植物を育てているガーデナーの大敵は、害虫と雑草です。
特にこの時期は高温多湿で、植物の成長にとって最適ですが、雑草も例外ではありません。雨が降る度、どんどん成長していきます。毎日毎日、熱中症に気を付けながら草取りに追われています。
「まつこの庭」の今の時期の困りもの雑草は、スギナ、ドクダミ、シノ、つる草のヤブガラシ、カナムグラ、カラスウリ、ヤブマメなどです。この中でも、困りものワースト3は、1位がヤブガラシ、2位がカナムグラ、3位がカラスウリで、全部つる植物です。草取りというよりは、つる抜きと言った方がいいかもしれません。
<困りもの雑草 ワースト3>
↑1位 ヤブガラシとそのつぼみ
ヤブガラシは、つるが植物を覆いつくして藪までをも枯らしてしまうほど勢いがあるということからその名がついたと言われています。抜いても抜いても、地下に太く長い根を張り巡らしてあちこちから芽を出します。本当に困りものです。
ところが、この嫌われもののヤブガラシの花は、アゲハの蜜源植物(ハチやチョウが花の蜜を求めて集まる植物のこと)となっています。特にアオスジアゲハがよく集まることで知られています。人間が手こずらされているヤブガラシのおかげで美しいアオスジアゲハに出会えるところは、ちょっと皮肉です。
↑ 2位 カナムグラ(クラウンベッチの上に覆いかぶさっている。ピンクの花がクラウンベッチ、後で写真が出てきます。)
カナムグラのカナは金物、鉄の意味で、鋭いトゲのあるつるが植物に絡みつきます。引っ張ると、トゲトゲのせいで手がヒリヒリと痛みます。9月ごろ花が咲き、ほこりのような真っ白い花粉が飛び、花粉症の原因にもなることがあるそうです。
カラスウリはウリ科のつる植物で、つるをどんどん伸ばして植物に絡みつきます。根は、ダリアのような球根を持っていて、球根は年々肥大します。球根ごと抜かないと退治できません。真夏の夜、レースのような白い花を咲かせて蛾を呼び寄せます。秋に赤い実がなりますが、特にカラスが好んで食べるということはないようです。リースの材料などに利用されます。
「まつこの庭」は私一人で管理しているので、草取りや花木の剪定などとてもじゃないけれど、草木の成長には間に合いません。草取りの手間を少しでも省くため、雑草が生えないように地面を覆ったり、花木の下草として植えたりする「グラウンドカバープランツ」と言われる植物を植えたり、通路などは除草剤を撒いたりしています。スギナやドクダミはよほど濃度を濃くしない限り除草剤が効きません。私見ですが、スギナやドクダミは薬草として使われることがあるぐらいなので、除草剤をかけても枯れにくいのかもしれません。
<グラウンドカバープランツ>
もともとは、雑草扱いされていた植物が、花が美しかったり、成長が緩やかだったりして、改良されてグラウンドカバープランツとして使われるようになったものが多いようです。ヤブガラシやカナムグラなどと同じようにつるが伸びて辺りを覆っても、片や雑草という名で呼ばれて悪者扱いで、片や花や葉が美しいというだけで大切に扱われるのですから植物の世界も不公平で大変ですね。
↑ クラウンベッチ(つるを伸ばし、レンゲソウに似た花を咲かせます。もともとは、アメリカで牧草として栽培されたそうです。広い面をカバーするのにはとても良いのですが、広がりすぎたり、背が高くなったりするので、グラウンドカバープランツとしては持て余すことがあります。)
↑ マルバストラム(つるを伸ばし、地面を覆います。花はアプリコット色でかわいいです。クラウンベッチと同じような欠点があります。)
↑ ゲラニウム・ロザンネイ(ゲラニームはゲンノショウコの仲間です。バラの下草として植えられます。バラにはない色を補う意味では、パートナープランツの役割も果たします。)
↑ フイリミズヒキソウ(こぼれ種からよく増えるところは、まるで雑草です。日陰を明るくしてくれます。夏の終わりごろから赤と白の水引に似た花を咲かせます。斑入りでないもの、白花を咲かせるものもあります。「まつこの庭」では、一番活躍しているかもしれません。)
↑ ヒメツルソバ(名前の通り、つるが伸びて広がります。花は金平糖のようにかわいいです。葉にミズヒキソウと同じ模様があるように、どちらもタデ科の植物で、仲間です。背が高くならないところと晩秋の霜が降りる頃まで咲くのが魅力です。)
↑ オキザリス・ヨツバアカバナイモカタバミ(花のない時期も四葉のクローバーのようで楽しめます。普通のカタバミと違って、根が球根です。)
↑ ハツユキカズラ(新芽の葉が白やピンクで、カズラの名前の通りつるで伸びていきます。背が高くならずに、広がっていくので下草に使われます。)