いよいよ3月に入りました。春本番です。
今の時期の温室は、冬咲きのランと春咲きのランが一緒に咲いています。今回はデンドロビュームです。「まつこの庭」には、約70鉢のデンドロビュームがあります。
デンドロビュームは、東南アジアを中心に北は日本から南はオーストラリア、西はインドから東はポリネシアまで分布し、原種は1000種とも1500種とも言われています。日本に自生するセッコクは、デンドロビュームの仲間です。
同じデンドロビュームでも分布が広域なので、花の大きさ、花の咲き方、耐寒性などが様々です。茎に竹のような節があるのが、共通点です。一般的なのは葉のない茎の節に沿って花がびっしりとつくタイプで、他にはフジの花のように花の房が垂れ下がって咲くタイプ、茎の先から放射状に小さな花を付けるタイプなどがあります。花屋さんで花束になって売っていたり、お料理の彩りに添えられていたりするのもデンドロビュームで、このタイプは花がコチョウランに似ているので、デンドロビュームファレノプシス、略してデンファレと言われています。
↑ スウィートソング・キャンディ ↓ シラサギ
↑ ウシタエ 花形が筒状で変わっています。
↑ グリーン愛 シラサギに似ているが、リップ(唇弁)の奥が緑色です。
↑ キングジップ・レッドスプラッシュ ↓ テトラゴナム
↑ シルコッキー ↓ キンギアナム リップの模様が同じで、色違いです。
↑ ラブメモリーフィーズ ↓ 名前不明
ラブメモリーフィーズに花がそっくりですが、リップの奥の色が違います。ラブメモリーフィーズは赤、下のデンドロビュームは黄緑です。花の大きさは同じぐらいですが、背丈がラブメモリーフィーズは60㎝ぐらいありますが、下はその半分です。
デンドロビュームはシンビジュームと並んで、寒さに強く育てやすいとよく言われますが、今回紹介したタイプの花は比較的寒さに強い方ですが、初夏に咲く下垂性のタイプやデンファレなどは、寒さにはあまり強くありません。デンドロビュームもいろいろな変種、交配種などがあり、楽しみの多いランでです。