12月なのに、季節は1か月先に行っているようで、毎日寒い日が続いています。
それだけならまだいいのですが、例年よりずっと寒い冬になったら嫌だなあと思っています。年が大きくなると寒さがよくよく身に染みます。
ランのシーズンが訪れました。カトレアが咲き、シンビジュームもつぼみが大きく膨らみ、温室の中をのぞくのが毎日の楽しみです。
<カトレアの仲間>
↑ ポーラ ↓ 黄色チョコレートドロップ
チョコレートドロップは普通チョコレート色をしていますが、これは交配の過程で黄色になったものです。
↑ ピュアイエロー ↓ ロエブリング
↑ ジョージキング (アプリコット色のカトレアは珍しいです。)
ランの花弁は、6枚あるように見えますが、実は3枚はガクで、3枚が花弁なのです。このジョージキングを見ると良く分かりますが、後ろ側の細い花弁のように見える3枚がガクで、横に大きく張ったひらひらした2枚と下側に突き出した唇のような1枚が花弁なのです。ガクのことをセパル、横の2枚の花弁をペタル、唇のような花弁をリップ(唇弁)と言います。セパルとペタルは色や形が違っていることが多いですが、同じ色や形をしているものもあり、同じ色のものをコンカラーと言います。リップはセパルともペタルとも全く違った色や形をしています。
<コチョウラン>
↑ ミディコチョウラン・パプリカ ↓ ビッグリップピーチ
大輪のコチョウランで、薄いピンク色で濃いピンクのスジ模様が入っていますが、何より目を引くのが、リップ(唇弁)です。パプリカで言うと濃いピンク色をした花弁の部分ですが、名前の通り大きなリップでしかもリップそのものがコチョウランのような形をしているのがとても珍しいです。
<オンシジューム>
このオンシジュームは、例年秋に咲くのですが、今年は少し遅れたようです。甘い香りがします。
「まつこの庭」には、ラン用の温室が2棟あります。3坪ほどの広さの温室はもう25年ぐらい経っていますが、シンビジュームやデンドロビューム専用で、温度設定を12℃にしています。もう一つの温室は6坪ほどの広さで、10年ぐらい経っていますが、カトレアやコチョウラン専用で、15℃設定にしています。一足早くやってきた厳しい寒さは、温室にも影響して、例年より灯油の消費が早く、大きい方の温室は灯油の様子を気にしていたのに、小さい方の温室が灯油切れをしているのに気づきませんでした。温度の設定が低いので油断していたのです。たくさんつぼみをもったシンビジュームを氷点下の気温にさらしてしまい、かわいそうなことをしてしまいました。開花に影響するかどうか、今のところは分かりません。無事に咲いてくれることを祈るだけです。