クレマチスは、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、オセアニアに約300種が分布するつる植物です。クレマチスと言うと「ああ、テッセンね。」と言う人がいますが、正しくはテッセンというのは、中国産の原種のクレマチスのことで、園芸品種の交配種の親です。日本原産のクレマチスはカザグルマとクサボタン、センニンソウで、やはり園芸種の重要な交配親となっているそうです。テッセンは花弁が6枚、カザグルマは8枚なので、園芸種のクレマチスも花弁の数でどの系統の血を引いているかが分かるようです。花弁が4枚のものもあります。
クレマチスの野生種や園芸種は、花弁の数、花の大小、花形、咲き方、咲く時期などによっていくつかの系統に分類されています。中には「えっ、これもクレマチスなの?」と思わせるようなものもあります。ヨーロッパでは、バラと組み合わせて植栽されることから、クレマチスはバラのパートナープランツと言われています。
「まつこの庭」には、約50種類ぐらいのクレマチスがありますが、早いものは3月の終わりごろから咲く中国原産のアーマンディから始まって、初夏と秋に2回咲くもの、3回咲くものなど秋の終わりごろまで咲きます。私の庭では、今の時期が、クレマチスの一番の盛りかもしれません。
「まつこの庭」のクレマチスの女王はジョセフィーヌです。早咲きの大輪系で花径が10~12㎝ぐらいあり、咲き始めは半八重咲きの唐子(からこ)咲きです。咲き進むにつれて中央の花弁が次々と形を変えて、咲き始めと咲き終わりでは花姿を大きく変化させる不思議な花です。花もちもよく、咲き始めてから2週間以上経っています。↑ ジョセフィーヌの2週間前 ↓ 現在
上のような咲き方を唐子咲きと言いますが、咲き進むと真ん中の花弁が全開し、周りの花弁が落ちて、下のような八重咲きのようになります。
1株の中で2種類の咲き方がありますが、もう一つの咲き方は上の写真のようですが、咲き進むと、やはり周りの花弁が落ち、下のような写真の花形になります。
ジョセフィーヌは、わたしの庭でもう15年ぐらい経っていると思います。通信販売の宿根草の福袋に入っていたものです。咲き始めは色がショッキングピンクで濃い筋が入り、あまり好きではないのですが、咲き進むにつれて優しいピンク色になり、最後はポンポン咲きになるのがかわいらしく好きです。こんなに表情を変えて、長く咲く花はなかなかないと思います。しかも、春だけでなく、2度3度と返り咲きするのも魅力です。
↑ リトルマーメイド(ちょっとオレンジ色がかっています。) ↓ 名前不明
↑ 名前不明 ↓ プリンスフィリップ(花径18㎝の大輪です。)
↑ ニオベ ↓ デミーズダブル
↑ ルージュカージナル ↓ 太河(紫と緑のバイカラーです)
↑ 赤富士 ↓ トリーヌ
↑ ベル型クレマチス・クリスパ
↑ 満開のサマリンタジョー ↓ 満開のダッチェス・オブ・エジンバラ(八重咲き)
バラ・ピエール・ド・ロンサールのパートナープランツとして植えたアンドロメダ(半八重咲き)ですが、バラはまだ咲いていません。バラが咲くころには、散ってしまいそうです。
クレマチスも毎年新しい品種が発表されて、珍しい花や新しい花大好きの私はすぐ欲しくなります。「太河」は今年初めて「まつこの庭」に仲間入りしました。ジョセフィーヌにちょっと似ているなあと思って、買ってみたのですが、この先どんな展開を見せるかとても楽しみです。
これから遅咲きのクレマチスのシーズンが始まります。バラも盛りを迎えると思うので、一緒に楽しみたいと思います。