まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

半夏生と半夏

 今日7月2日は、雑節の一つである「半夏生」です。

 半夏生は、夏至の日から数えて11日目に当たる日を言い、今年の夏至は6月22日でしたから、半夏生は今日になります。半夏生は、梅雨明け間近のころを示し、農業が中心だった時代には、この半夏生の頃までに田植えを済ませる必要がありました。半夏生を過ぎてから田植えをすると、収穫量が大幅に減少するからです。

 二十四節気の暦は半月毎の季節の変化を示していますが、中国で作られた暦なので、農業に携わる人にとってはこの二十四節気の暦だけでは不十分でした。日本の気候にあった暦が必要とされ、作られたのが雑節です。節分、八十八夜、入梅半夏生二百十日、土用、彼岸などがこれにあたります。経験から導き出された農業の暦ですから、昔の人の知恵はすばらしいと思います。

 ここ2、3年、スーパーに「半夏生には蛸を食べよう」というチラシが貼ってある事に気付きませんか? もともとは関西地方の風習ですが、関東にも広がって来たようです。半夏生のころは、田植えが終わり一段落したころで、神様に蛸を供え、豊作を祈るのだそうです。稲が八本足のタコのようにしっかり根を張り、無数の吸盤のように実を結ぶことを願うのだそうです。また、蛸には疲労回復の効果があるタウリンが含まれていることから田植えの疲れを取るという効果も期待されたのでしょう。経験から知っていたのでしょう。関東では、特に江戸では、蛸は冬の食べ物と決まっていて、夏に蛸を食べる習慣が無かったそうです。「夏の蛸の酢の物」の異名が「ありえない」だったそうですから・・・・。

 ところで、半夏生のころに花を咲かせる植物があります。それが、半夏生ハンゲショウ)と半夏(ハンゲ)です。

 ハンゲショウは、別名片白草(かたしろぐさ)と言います。

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 一般には白いものが花と思われがちですが、白いのは葉で、ひものように垂れ下がっているのが花です。花には花弁がないので、よけいに花弁のように見えます。花が咲くころに葉の表側だけが白くなります。葉の裏は緑のままです。それで半分化粧したようなので、半化粧という意味もあるのかもしれません。夏至のころから葉が白くなり始めました。ハンゲショウドクダミ科の植物で、ドクダミと同じような匂いがします。

 ハンゲは、別名カラスビシャクと言います。

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 カラスビシャクサトイモ科の植物で、ウラシマソウと同じ仲間で、花弁の先の長いひものようなものがそっくりです。このカラスビシャク半夏生のころに花が咲くので、半夏という名前が付いたようです。地下茎が球形で、半夏という漢方薬に使われているそうです。わたしの庭では、今年は5月頃から花が咲き出しました。

 半夏生のころは梅雨明け間近を示すそうですが、まだまだ梅雨は続きそうです。