早いものでお正月も3日になりました。私の今年の仕事始めは、雨の当たらない軒下の草花やランの水かけでした。
今、温室の中では和ランと呼ばれる小型のシンビジュームが咲いています。
和ランは、東洋系原種シンビジュームと言われる春蘭や報歳蘭、駿河蘭、寒蘭などと洋蘭のシンビジュームとの交配種のことを言います。清楚で趣のある姿や色、香りと洋蘭の華やかさを併せ持つ新しいシンビジュームだそうです。
↑ 春一番 ↓ 草薙
春一番も草薙も春蘭との交配種なので、姿形が春蘭にそっくりです。
↑ 春一番 ↓ 草薙
春一番も草薙も背丈が25~30㎝ぐらいです。春蘭は15㎝ぐらいで、普通のシンビジュームは50~60㎝位で、原種になると90~100㎝ぐらいになるものもあります。春一番も草薙も背丈が低く、花茎が極端に短く足元に花を咲かせ、しかも1茎に2,3輪しか花を付けないという特徴があります。
↑ 丹頂(多種系) いろいろな血が混ざっているようですが、花が少ない所を見ると、やはり春蘭の血を引き継いでいるような気がします。花の形はベトナム産のエリスロスティルムに似ています。
↑ 夕霧(多種系)これもいろいろな血が混ざっているようですが、赤い色やたくさん花を付ける所は、キンリョウヘンの血が入っているかも知れません。
↑ 咲き始めたばかりの大和撫子(蓮弁蘭系) 優しいピンク色の細い花弁、ほんのり香る甘い香り、まさに大和撫子。思いの外背が高く70㎝ぐらいあるので、ちょっと大和撫子らしくないかもしれません。
私とランとの出会いは今から約40年ほど前、職場に飾られた鮮やかな黄色の花を付けた1株のシンビジュームでした。その頃の私が持つランのイメージは、TVで見る紅白出場歌手が胸に付けたカトレアの花、まさに高嶺の花でした。普通の人が普通の家で育てられるランがあるということに衝撃を受けました。それから間もなく頂いた赤いシンビジュームの1鉢(栄光という名でした。)からランとのお付き合いが始まりました。シンビジュームからカトレアへと興味は移ってきましたが、今でも温室には大小合わせて約50鉢ぐらいのシンビジュームがあります。世話が行き届かず、半分ぐらいしか花は咲きませんが・・・。中には息も絶え絶えのものもありますが、増えすぎて困るほど元気な株もあります。花の少ない今の時期、シンビジュームは貴重な存在です。