台風15号の傷が癒えないうちに台風17号がやってきて、また災害をもたらしました。台風の進路からは一番遠いと思われる私の地域でも風が強く、あわててコリウスを避難させました。背の高い植物はまた倒れてしまいました。9月も半ばを過ぎましたが、まだまだ台風はやって来るのでしょうか?
今回はまつこの庭の温室で8月から9月にかけて咲いたコチョウランです。夏の終わりから秋の初めに咲くランは少なく、咲いているのはコチョウランぐらいです。
コチョウランと言うと、今は亡き石原裕次郎が愛した花として有名ですが、石原裕次郎が入院していた病室は大輪の白いコチョウランの鉢で埋め尽くされたそうです。私の育てているコチョウランは大輪ではなく、ほとんどが小輪のミニコチョウランと言われるものです。
コチョウランは大まかに分けると、花径が10㎝以上を大輪、7,8㎝前後を中輪(ミディコチョウラン)、4,5㎝前後を小輪(ミニコチョウラン)、3㎝以下を極小輪(マイクロコチョウラン)と言います。
私は小輪のコチョウランが大好きです。花色や模様が豊富でたくさん花を咲かせること、何より大輪より丈夫なこと、値段も安いことなどが理由ですが、花が咲き終わって値段が半分以下になったものを買ってきて、花を咲かせるのが何よりの楽しみです。
↑ ↓ ミディコチョウラン
↑ ↓ ミニコチョウラン
ランの花のつくりは、外側の3枚がガクで、内側の3枚が花弁です。3枚の内1枚だけ形が違い、唇のように見える事から唇弁(リップ)と言いますが、このコチョウランは3枚が同じような形をしています。東洋ランでは、このような咲き方を三蝶咲きと言いますが、カトレアやシンビジュームなどの洋ランでもこの咲き方がよく見られます。
コチョウランはファレノプシスとファレノプシスの仲間であるドリティスとドリテノプシス(ファレノプシスとドリティスの交配種)の総称だそうです。熱帯アジアを中心に、インド、オーストラリア、フィリピン、台湾、中国などに自生します。原種は約50種あり、日本のナゴランはこの仲間だそうです。コチョウランと言うと日本では華麗なチョウのイメージですが、ファレノプシスはギリシャ語で「蛾に似た」という意味を持っているというのには、驚きです。
↑ 原種ファレノプシス・ビオラセア スマトラ、マレー半島、ボルネオに自生。
↑ ↓ ドリテノプシス(マイクロコチョウラン)
↑ ドリテノプシス(これも花弁が3枚ともリップ化しています。)
今ではお祝いでもお見舞いでも大輪のコチョウランの贈り物は一般的になっていますが、もともとこのコチョウランを世に広めるきっかけを作ったのは、上皇后美智子様だそうです。結婚する際にこのコチョウランを飾ったのだそうです。白い清楚な花は美智子様のイメージにぴったりだと思います。