昨日、NHKで「牧野植物ふしぎ図鑑」と題した、8K映像で牧野富太郎博士の著した図鑑の秘密に迫る番組を見ました。私は先日「植物学の日」について触れたように牧野博士の大体の生涯についてや図鑑には博士自身が描いた植物の精密図が載せられていることなどは知っていましたが、図鑑そのものは見た事がありませんでした。肉眼では見えないものを見せる8K映像が素晴らしいことはもちろん良く分かったのですが、それより素晴らしいと思ったのは、8K映像が見せる植物の世界を、100年も前に牧野博士が図鑑に精密に描き表わしていたことです。水性植物のムジナモが食虫植物であることを世界で初めて発見したのは牧野博士だそうですが、図鑑に添えられた精密図には驚愕しました。8K映像が映し出すものと全くと言ってよいほど同じなのです。博士の植物への飽きなき興味・関心、観察眼、描写力、根気強さなどを痛感しました。
5月最初は4月にまつこの庭の温室で咲いた春のランです。初夏咲きのランも混じっています。
☆☆☆ カトレアの仲間 ☆☆☆
↑ ラブパッション・オレンジバード ↓ ルイス・ジョージアナ・フィリップ
↑ インターメディア・セルレア ↓ ワルケリンター
ワルケリンターはワルケリアナとインターメディアの原種同士の交配種です。
ワルケリアナはブラジル中央部の山岳地帯に自生しています。インターメディアはブラジル大西洋岸にある海岸山脈に自生しています。
↑ スキンネリー (花の一部がナメクジの食害に遭っています。)
スキンネリーは、メキシコ、グアテマラ、ホンジェラス、ニカラグア、コスタリカなど中米の湿度の高い山地に自生しています。
☆☆☆ オンシジュームの仲間 ☆☆☆
↑ 名前不明(バニラの香りがします。) ↓ 原種交配種・カリヒ
原種オンシジューム・クラメリアヌム(コスタリカ、パナマ、エクアドル、ペルーのアンデス山脈の西側に自生)と原種オンシジューム・パピリオ(西インド諸島、コロンビア、ギアナ、ブラジルアンデス山脈の東側に自生)の交配種です。この2つはとてもよく似ていて、その交配種であるカリヒも似ていて、この3つを区別するのは難しいです。上に突き出た3本の触角ようなものは、真ん中がガク、その両隣が花弁です。ランの花のつくりは、ガクが3枚(普通は3つ同じ)、花弁が3枚(2枚は同じで1枚は唇弁)なのですが、このオンシジュームは花弁が触角のようなもの2枚と唇弁(中央の黄色の丸い形のもの)の3枚と、ガクが触角のようなもの1枚と唇弁の両脇に垂れているもの(唇弁のまわりの模様と同じもの)2枚の3枚です。分かりづらいですね。
☆☆☆ シンビジュームの仲間 ☆☆☆
↑ ブラックシャワー ↓ ポーウェルシー
ブラックシャワーはたくさんつぼみがあったので、ポーウェルシーは3鉢あったので、時間差で開花し、長く花を楽しめました。
☆☆☆ その他のラン ☆☆☆
↑ マスデバリア ↓ リカステ・アロマティカ
マスデバリアは中南米の高山の樹木や岩に着生しています。暑さに弱いです。
アロマティカは、メキシコ、グアテマラ、ホンジェラスの高地に自生します。強いニッケイの香りがあります。
今、温室の中はオンシジュームのバニラの香りとアロマティカのニッケイの香りで満ちています。
ランではないのですが、温室の中できれいな実を付けている植物があります。アンスリュームで、スカンデンス・ヴィオラセウムと言います。
アンスリュームと言うと赤いビニールのような葉を1枚広げた花を思い浮かべると思いますが、これは実を楽しむ品種です。花は白であまり目立ちません。
株全体はこんな感じです。上へ上へと伸びて行きます。
昨日のニュースで、8Kと顕微鏡を合わせた映像で新型コロナが細胞を破壊する瞬間を捉えた映像を放送していましたが、そんなことができるのになぜこのコロナ感染拡大を抑えることができないのでしょうか。去年の緊急事態宣言中の連休の人出が嘘のように、今年はあちこち人の波、車の渋滞、同じ緊急事態宣言下とは思えない人出で、連休後は一体どうなっているのか、心配ですね。