まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

昔懐かしい夏の花

 子どものころを思い出す夏の花と言うと、鳳仙花(ホウセンカ)、松葉牡丹(マツバボタン)、白粉花オシロイバナ)、花魁花(オイランバナ)、鬼灯(ホオズキ)、朝鮮菊(チョウセンギク)などです。嫁いで来てからも庭にはこれらの花が植えられていました。亡き義母が花が好きだったからです。もし花が嫌いな姑だったら、「花なんて無駄使いだ。」とか、「嫁の分際で温室なんか建てて。」と言われたに違いありません。田舎ですから実際そういう考え方をするお姑さんもいました。義母が花好きで良かったとしみじみ思います。

☆☆☆ 鳳仙花(ホウセンカ)☆☆☆

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 ホウセンカはインド、東南アジア原産のツリフネソウ科の一年草で、江戸時代末期に渡来したそうです。実は熟すと自然にはじけ種を飛ばします。触っただけでもはじけるので、子どもの時はそれが面白くて、パンパンに熟した種を見つけては触って遊んだものでした。ホウセンカは学名がインパーチェンスですが、ラテン語で「我慢できない」と言う意味だそうです。種が自然にはじける様子が名前の由来になっているようです。

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 赤いホウセンカは、昔女の子が爪を赤く染めて遊んだことから爪紅(ツマクレナイ、ツベニ)と言う別名もあります。

 最近はインパーチェンス(アフリカホウセンカ)やニューギニアインパーチェンスが多く植えられ、昔ながらのホウセンカはあまり見かけなくなりました。

f:id:myuu-myuu:20210801143913j:plain↑ ニューギニアインパーチェンスの園芸種・サンパチェンス

 ホウセンカは一度植えるとこぼれ種から毎年花を咲かせます。

☆☆☆ 松葉牡丹(マツバボタン)☆☆☆

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 松葉牡丹(マツバボタン)はブラジル原産のスベリヒユ科一年草で、幕末のころに日本に渡来したそうです。葉が多肉質で乾燥に強いので、ヒデリソウの別名があります。私の母はマツバボタンではなく、ヒデリソウと呼んでいました。子どものころのマツバボタンはこんなに豪華な八重咲きではなく、一重咲きのシンプルな花だったと思います。

 早朝に花が開き、お昼ごろには花がしぼむ1日花です。原産地のブラジルでは、11時ごろには花がしぼむので、「11時の花」と呼ばれるそうです。

 最近はマツバボタンの近縁種のポーチュラカが植えられることが多く、ポーチュラカの苗はたくさん園芸店に並んでいますが、昔ながらのマツバボタンの苗はめったに見かけないように思います。

f:id:myuu-myuu:20210801145715j:plain↑ ポーチュラカ

☆☆☆ 白粉花オシロイバナ) ☆☆☆

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 白粉花オシロイバナ)は南アメリカ原産のオシロイバナ科の多年草で、江戸時代の初めごろに渡来したそうです。種の中には良く知られているように白い粉状のものが入っているので、白い粉が白粉のようなので、オシロイバナの名があります。子どものころ、この白い粉を取り出して顔にぬり、お化粧ごっこをしたものです。

 花は夕方開き、芳香があるので、夕化粧(ユウゲショウ)の別名もあります。夕方花が開く事からオシロイバナは英名をフォーオクロック(4時草)と言います。

 一般的にはオシロイバナは種から育つ一年草と思われていますが、実際は根がイモ状になり宿根するので、多年草です。もちろん種からも発芽し、生長します。私の庭では、宿根したものが毎年同じ場所に群生します。最近はヤブミョウガが勢力を拡大して、オシロイバナの群生が小さくなっています。

☆☆☆ 花魁花(オイランバナ) ☆☆☆

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 花魁花(オイランバナ)はオイランソウが正しいようですが、私の子どものころはそう呼びました。オイランソウは北アメリカ原産のハナシノブ科の多年草で、大正時代に渡来したそうです。オイランソウの正式名称は宿根フロックスで、和名はクサキョウチクトウです。独特の匂いがありますが、それが花魁の使っていた白粉に似ている事からこの名があるそうです。子どもの時は花魁がどんなものか全く知らずに、色水を作って遊んでいました。あとで花魁や名前のいわれを知ってから、独特の香りは花魁が使っていたという白粉の香りなんだということを知りました。

 今は色々な種類のオイランソウ(フロックス)が出ていますが、私にとってのオイランバナは赤い色水の作れる赤紫色の花です。赤紫色以外のオイランソウは、花魁花ではなく、やっぱりフロックスの名がふさわしい気がします。

f:id:myuu-myuu:20210801153628j:plain↑ ↓ フロックス

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☆☆☆ 鬼灯(ホオズキ)☆☆☆f:id:myuu-myuu:20210801154558j:plain

 鬼灯(ホオズキ)は、日本に自生するナス科の一年草です。6月頃に白い小さな花を咲かせます。目立たないので、気付かないことが多いです。

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 花が終わると5枚のガクが発達して果実を包み袋状になり、7月頃、緑色の実は黄色からオレンジ色へと熟すにつれて色が変化していきます。

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 オレンジ色の袋の中に入っている実の中から種を取り出して、口の中でキュッキュッと鳴らして遊びます。子どものころ、私にはこれが出来なくて、キュッキュッと鳴らせる友達が羨ましかったものです。

 私の庭では毎年たくさんのホオズキが出て来ます。しかも背が高くなり、倒れるほどたくさんの実を生らせます。

☆☆☆ 朝鮮菊(チョウセンギク) ☆☆☆

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 長い間、この花をチョウセンギクと呼んで来ました。実家ではお盆の仏さまに供えるお膳のお箸としてオミナエシの茎を使うのですが、無い時は代わりにこのチョウセンギクの茎をお箸として使っていました。チョウセンギクの名は子どものころに母に教えられたのです。60年以上その名が当たり前でした。

 5年ぐらい前にブログにこの花を載せようと思って図鑑やネットで調べても、そんな名前の花は出て来ませんでした。ひょっとして別の名前かも知れないと思い、夫に聞いても同じ答えでした。2、3年前身近な野草・雑草と言う図鑑を見ていて、偶然この花の正式な名前を知ることができました。八重咲き大反魂草(オオハンゴンソウ)、別名花笠菊(ハナガサギク)という名でした。八重咲きオオハンゴンソウはキレイな大きな花を咲かせるのに、雑草の仲間扱いだったのですね。

 八重咲きオオハンゴンソウは、北アメリカ原産のキク科の多年草で、明治中期に観賞用に渡来したそうです。今では全国に広がり、特に寒冷地で野生化しているそうです。北アメリカ原産であるにも関わらず、なぜチョウセンの名がついたのか不思議ですが、今までは多くの草花は朝鮮半島を経て日本にやって来ると言う経緯があったので、外国から入って来たものには、チョウセンと付けてしまう風潮(?)みたいなものがあったのかもしれません。

 この八重咲きオオハンゴンソウについて新しい情報を得ました。オオキンケイギクと同じように日本の植物の生態系を壊すということで、特定外来生物の1つに指定されているのだそうです。オオハンゴンソウは特に尾瀬などの水生植物に大きな影響を与えているそうです。昔から庭にある花が今や特定外来生物と言われても・・・・・、ちょっと困ります。人さまには譲らないで、私の庭だけで育てていれば、大丈夫ですよね。