まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

お正月の寄せ植え

 お正月の簡単寄せ植え教室があり、参加しました。主催はギャザリング教室の先生で、参加者は15人でした。お正月用の松竹梅の寄せ植えを作りました。

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 講師は川原田邦彦先生です。アジサイの研究家で、NHK趣味の園芸の講師をされたり、マツコの知らない世界などでも紹介されたりした方です。

 お話を伺ってから、寄せ植えを作りました。

 材料は梅と松と竹筒です。初めに竹筒に入るように梅と松の根を崩して、竹筒に土を入れて植えこみました。次に苔を貼り、白い砂を置くと、

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竹の花器に梅と松の植わった松竹梅の寄せ植えの完成です。1時間ぐらいでできる本当に簡単な寄せ植えでした。

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 お正月の2週間ぐらい前から暖かいところに置いておくと、お正月には梅の花が咲くそうです。まだつぼみが硬く、本当に花が咲くのかしら?と思いました。

f:id:myuu-myuu:20211206122619j:plain私の梅は紅梅で見驚(けんきょう)という名前です。ぜひお正月に開花を間に合わせたいです。

 先生のお話で印象に残ったのは、松竹梅の由来と松の意味と花の散り方の表現です。

 昔から日本ではおめでたいことのシンボルとして松竹梅の組み合わせが使われてきました。松竹梅は中国の「歳寒三友(さいかんさんゆう)」に由来するのだそうです。歳寒とは冬の厳しい寒さを言い、三友とは松、竹、梅のことです。寒中でも松と竹は青々とし、梅は春に先駆けて花を咲かせることから、厳しい環境でも不変であるものとして、中国の人は松竹梅を「歳寒三友」として讃えてきたそうです。日本でも松は常緑性から長寿を、竹は成長力の旺盛さから繁栄を、梅は風雅さを意味したそうですから、慶事、吉兆のシンボルとして松竹梅が使われてきたようです。

 松は木へんに公と書きます。公は明治時代の爵位、公侯伯子男の一番上を示します。これも中国の古い時代の貴族の階級に倣っているそうです。松は木の中で一番上、高尚な木と言うことになるのだそうです。能舞台には必ず使われているのはこういう意味があるのでしょう。私の名前は漢字で書くと松子ですが、この話を聞いて、植物大好き人間の私にはこの上もない名前を付けてもらったのだとうれしくなりました。

 花が終わり、花弁が落ちることを「散る」と言いますが、日本語では花によってその表現が異なるそうです。牡丹は「くずれる」、桜は「舞う」、梅は「こぼれる」、朝顔は「しぼむ」、椿は「落ちる」などです。これは和歌を詠む時に、花が散る様子をよく観察したことから生まれたのだそうです。外国語だと「散る」と言う表現しかないそうですが、日本語の表現がいかに豊かかを示していると思いました。

 最後にこう言った花に関わる知識が忘れ去られようとしていることを先生はナンテンの例を出して憂慮されていました。ナンテンは難を転じると言う意味があること、殺菌作用があり、昔はお赤飯などにナンテンの葉を乗せたが今はナンテンの絵が描かれた紙を乗せているだけで、殺菌作用があることは忘れ去られている。花に関わる人はそういったことを知識として持っていることが大切だとおっしゃっていました。(そういえば、今の若い世代の人の中には、松竹梅と言うとウナギの値段の序列だと思っている人がいるということを聞いたことがあります。)確かに花に関わる知識があるとないとでは、花の見方も関わり方も違ってくるような気がしました。