まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

ギンリョウソウ(銀竜草)の花

 私の庭は竹林に続いています。竹林の中では、春にはヒガンザクラが咲き、初夏までうんざりするほどたくさんの竹の子が出ます。4月いっぱいは竹の子を掘る業者が入りますが、5月の連休が終わると、その頃から竹の子がたくさん出回るようになるので採算が合わなくなり、業者は引き揚げます。そうなると自分で竹の子を折らなければなりません。今年は竹の子の出が悪く、例年のように100本、200本と折ることもありません。昨年100年に1度の竹の花が咲き、竹が枯れるという現象が各地で起こったそうですが、私の家の竹林の竹の子の出が悪いのもそれに関係があるのかもしれません。

 竹を折りながら、通路を歩いていて、ギンリョウソウを見つけました。例年5月の中旬ごろ現れます。昨年は見逃してしまいましたが・・・・・。今年は例年より少し早めだったようです。

 

 ギンリョウソウは漢字で書くと「銀竜草」で、透明感のある白い色をしています。花はちょうど銀色をした竜が首をもたげたような形をしていて、茎には白い鱗片状の葉がついていることからこの名があるそうです。別名を幽霊茸(ユウレイタケ)、中国では水晶欄(スイショウラン)と言われるそうですが、薄暗い竹林の中でギンリョウソウを見ると、どちらの名前も納得できます。高さは10㎝ぐらいしかなく、見逃しやすいです。私が見つけられたのは、そろそろ出るころだと意識して通路を歩いていたからだと思います。例年、大体同じ場所で見られます。

 ギンリョウソウはイチヤクソウ科(あるいはシャクジョウソウ科)の多年草で、日本全国の山地のやや湿った場所に自生しているそうです。日本の他には、千島列島、樺太朝鮮半島、中国、台湾、インドシナなどに広く分布しているそうです。

 ギンリョウソウは、植物でありながら全く葉緑素を持たないので、光合成ができません。地下でベニタケの仲間の菌類に寄生し、養分をもらって生きている腐生植物だそうです。1年のほとんどを地下で生活し、地上に顔を出すのは、5~6月の2か月間ぐらいで、その時に花を咲かせ、受粉し、実を付けるそうです。

 花は筒型で花弁の先が3~5裂していて、花の中を覗いてみると、

青く目のように見えるのがめしべ、周りの黄色のものがおしべです。マルハナバチなどの虫が媒介して受粉し、実ができるそうです。残念ながら私はまだ実をみたことがありません。この実をモリチャバネゴキブリが食べて、種を散布することが分かったのはつい最近のことだそうです。2017年に熊本の研究者が突き止めたそうです。

 私が竹林で初めてギンリョウソウを見たのは、今から15年ぐらい前だと思います。初めて見た時は、半透明の白い植物に衝撃を受けました。その存在を初めて知ったからです。おそらく竹林のいたるところでギンリョウソウが花を咲かせているのでしょうが、見つけることが出来たのはたまたま通路沿いに咲いていたからだと思います。

 竹の子が庭にまで侵入してきて困っている竹林ですが、春にはヒガンザクラ、竹の子、初夏にはギンリョウソウ、秋には赤や黄色の木の実と、楽しませてくれます。竹林には、まだまだ私の知らない秘密の楽しみが隠れているかもしれません。