まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

初冬の「まつこの庭」

 12月に入りました。12月前半は例年より寒いという天気予報通り、日中でも気温が10℃を下回るほどの寒さで、12月がスタートしました。

 「まつこの庭」はまだいくらか秋の名残があります。日向の木々の紅葉は終わりましたが、日陰の木々は紅葉した葉を残しています。木の実も小鳥が食べずにまだ残っています。赤や黄色の葉や実が、霜枯れた庭に彩を添えています。

f:id:myuu-myuu:20171202173107j:plain↑ モミジの紅葉     ↓ クロモジの黄葉

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f:id:myuu-myuu:20171202173536j:plain↑ スモークツリーの紅葉

f:id:myuu-myuu:20171202173714j:plain↑ ピラカンサの実    ↓ ローヤ柿(姫ガキ、豆ガキとも言います。)

f:id:myuu-myuu:20171202173915j:plain10年近く前に「趣味の園芸」のプレゼント企画でローヤ柿の種が当たり、蒔いて育てたものです。10本ぐらい芽が出て育ったのですが、実がなるのはこの木だけです。あと3本ぐらいは花が咲くのですが、実はなりません。雌雄異株なのかと思っていたのですが、普通の柿と変わらず、1本の株に雄花と雌花が咲くそうです。ただ株によって、雌花の多い実がつきやすい株と雄花の多い実がつきにくい株があるそうなのです。盆栽の世界では、実のつきにくい株を雄木と言っているそうです。普通の柿の木があれば、受粉は可能だそうです。

f:id:myuu-myuu:20171202174812j:plain↑ センリョウ(千両)   ↓ マンリョウ(万両)

f:id:myuu-myuu:20171202174943j:plainセンリョウもマンリョウも赤い実をつけて、よく似ていますが、センリョウは上向きに、マンリョウは下向きに実をつけるので、区別がつきます。マンリョウは昔から「まつこの庭」にありましたが、センリョウはありませんでした。花友が今年センリョウの挿し木苗を持ってきてくれましたが、まだ実をつけるまでには育っていません。実をつけたセンリョウは小鳥が運んできたプレゼントで、今年初めて実をつけました。実をつけるまで存在に気づきませんでした。

f:id:myuu-myuu:20171202174643j:plain↑ ナンテンの実(難を転ずるという意味で縁起のよい植物と言われています。)

 冬に外で咲く花は限られてしまいます。「まつこの庭」では、ヤツデ、ヒイラギ、ワビスケツバキが咲いています。

f:id:myuu-myuu:20171202185151j:plain↑ ヤツデ     ↓ ヒイラギ

f:id:myuu-myuu:20171202185241j:plainヒイラギは雌雄異株なので、花はめったに見られないようです。キンモクセイの仲間なので花は似ていますが、香りはあってもキンモクセイほど香りません。

f:id:myuu-myuu:20171202185508j:plain↑ ワビスケツバキ

 冬の花というと真っ先に上がるのが、ヤツデですが、この植物は不思議な植物です。

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 ヤツデの名前の由来を、私は葉が8つに掌状に分かれているから「八つ手」と思っていました。実際には葉が偶数に分かれることはなく、7、9、11と奇数に分かれ、8つに分かれているものはなく、ほとんどの葉が9つだという事を知りました。確かめてみたらその通りでした。それでは、なぜヤツデかというと8という数字は「たくさん」という意味でつかっていて、「八百万の神」とか「八重咲き」という時の八の意味と同じなんだそうです。また、天狗の団扇という別名があるほどですから、大きな団扇で魔物を追い払う力があると信じられ、縁起をかついで8という数字を使ったとも言われています。

 もうひとつヤツデには不思議なことがあります。ヤツデは1本の株に両性花(1つの花の中におしべとめしべがある花のこと)と雄花(おしべだけの花)を咲かせると信じられていたそうなのです。上のヤツデの写真を見ると、上の方はつぼみで下の方が花が咲いているようにみえますが、実際はヤツデは上の房から下の房へと花が咲き進むそうです。写真のつぼみに見えたものは、花弁とおしべが咲き終わって落ちてしまい、めしべだけのものなのです。ヤツデは自家受粉をしないのだそうです。先におしべが成熟し、他の花のめしべに花粉を提供し、花弁とおしべが脱落するとめしべが成熟し、他の花のおしべから花粉をもらうという仕組みになっているのだそうです。一番下の花は、めしべが成熟する頃にはもうおしべが無いので受粉が出来ず実を結ぶことはないわけです。それで雄花と思われたのですね。

 植物は美しいだけでなく(奇抜な形や色をした花もありますが)、いろいろな仕組みをもっていたり、いわれがあったり、本当におもしろいなあと思います。何気なく見ていたり、思い込みだったりしたことにはっと気づかされたり、新しい発見があったりした時はうれしいですね。