クリスマスローズが咲き始めました。
「冬の貴婦人」とも呼ばれるこの花は、冬枯れた庭に凛として咲く姿は、この名前にふさわしいと思います。
クリスマスローズは、学名をヘレボルスと言います。ヨーロッパでは、ヘレボレスの原種であるニゲル(ノイガーとも言います)のことを、「クリスマスの頃に咲くバラのような花」と言う意味で、クリスマスローズと呼ぶそうです。その他は、ヘレボレスと呼び、ヘレボルスのすべてをクリスマスローズと呼ぶのは日本だけだそうです。
↑ ニゲル(一重咲き) ↓ ニゲル(八重咲き)
日本で流通しているクリスマスローズの多くは、ヘレボレスの原種の交配種だそうです。ヘレボレスは、キンポウゲ科でクレマチスやアネモネの仲間で、原種は約20種だそうです。ヨーロッパ全域に分布し、地中海沿岸、バルカン半島、黒海沿岸に多く自生するそうです。ヨーロッパ以外では、中国の四川省にチベタヌスという原種が1種類だけ自生しているそうです。
日本でブームが起きたのは、2000年になってからで、広く知られるようになってからはまだ10年ぐらいです。
クリスマスローズの咲き方は、大きく分けると、シングル咲き(一重咲き)、セミダブル咲き(半八重咲き)、ダブル咲き(八重咲き)の3つです。5枚ある花弁と思っているものは実はガクで、花弁は退化してネクタリー(蜜線)と呼ばれていて、めしべとおしべのまわりにあります。花形や色・模様などバラエティーに富んでいて、魅力にハマると大変です。
<シングル咲き>
↑ 花弁が白、ネクタリーはピンク ↓ 花弁がグレー、ネクタリーは黄緑
<セミダブル咲き> ネクタリーが小花弁化しています。
↑ 小花弁がハート型 ↓ 花弁がピンクと黄緑のバイカラー(2色咲き)
↑ セミダブルは花の盛りを過ぎると小花弁が落ちます。左は落ちた花、右は花が開いたばかりで、小花弁が2段になっています。
↑ 花弁が黄緑色の小輪咲き、小花弁は筒形(原種のドュメトルムの血を引き継いでいるので、花色が黄緑でしかも小輪で多花性)
<ダブル咲き>
↑ 白にピンクのピコティ(縁取りのこと)とベイン(すじ模様のこと)
<原種同士の交配種>
↑ サヒニー・ウインターベル(ニゲル×フェチダス)
↑ バラーディア・ピンクフロスト(ニゲル×リヴィダス)
私がクリスマスローズと出会ったのは、今から15年ぐらい前です。通販で買った宿根草の福袋の中に入っていたものです。早春に白い花が咲いたのには、驚きました。それから2.3年後、ピンクや八重咲きの花を見かけるようになり、ブームが始まるころから私も夢中になり始めました。セミダブルやダブル、アプリコットや黒などの変わった色などを集め始め、交配も自分で行うようになりました。赤糸ピコティ(花弁に糸のように細い赤い縁取りが入る)の白のダブルが咲いた時には、感動しました。(残念ながら今年はまだ咲いていません。)
「まつこの庭」には、鉢植え、地植え合わせて約300株のクリスマスローズがあります。クリスマスローズのピークは2月です。とても楽しみです。