まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

筑波実験植物園・つくば蘭展

 3日連続で我が家の軒下で氷点下の気温を記録しました。皇帝ダリアもエンゼルトランペットもダメになってしまいました。季節は1か月ぐらい先を進んでいるようです。

 花友とつくば蘭展を見に出かけました。

 今回のラン展は、愛好家団体の展示と植物園のランのコレクション展示とランと昆虫の共生を捉えた写真展の3部構成になっていました。とりわけ、新聞やテレビで話題になっている79年ぶりに再発見されたというラン「シマクモキリソウ」が展示の目玉になっていたようです。花友はそれを楽しみに、私はラン展のパンフレットに載っていたバケツランを楽しみに出かけました。

<愛好家団体の展示>

f:id:myuu-myuu:20171122193346j:plain↑ エビデンドラム   ↓ カトレア・ジョージキング

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f:id:myuu-myuu:20171122193558j:plain↑ ミルトニア    ↓ デンドロビューム

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f:id:myuu-myuu:20171122193744j:plain↑ シンビジューム    ↓ セロジネ

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 いつものことながら、愛好家の方たちの栽培技術には驚かされますが、今回はあまり大きな展示品がなく、数も少なかったようなので、ちょっと残念でした。

 

<植物園のコレクション>

 植物園のコレクションは、私が普段見慣れているカトレアとかデンドロビュームのようなランは少ないです。アジアとかアメリカ、アフリカなど大陸別の展示になっています。普段目にしたことのない珍しいランをみることができました。

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 何といっても、今回のコレクション展示の目玉は79年ぶりに再発見された幻のラン「シマクモキリソウ」です。とても小さなランです。

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f:id:myuu-myuu:20171122195739j:plainシマクモキリソウが存在した確かな記録があるのは父島と南硫黄島のみで、1939年以降見つかっていないので、絶滅したと思われていたそうです。79年ぶりに南硫黄島で再発見され、筑波実験植物園で栽培し、開花に成功して、今回の公開となったようです。シマクモキリソウはスズムシソウに似ているそうですが、小笠原諸島で独自の進化を遂げた貴重なランだそうです。

 もう一つ貴重なランが展示されていました。マラクシス・イワシナエというランで、世界唯一の貴重なランだそうです。

f:id:myuu-myuu:20171122200937j:plainバヌアツで筑波実験植物園の調査隊が発見し、1996年に新種として発表されたそうです。隊長の岩科(いわしな)さんの名前に因んで名前が付けられたそうです。このランは現地でもこのラン以外には見つかっていないそうで、筑波実験植物園にあるものが世界唯一の貴重なランという訳です。

 

<ランと昆虫の共生の写真展>

 私が楽しみにしていたバケツランの展示がコレクション展には無かったので、写真展の方に展示されているのかと思ったら、ありませんでした。今の時期は咲いていないという事でした。以前にラン展で見た記憶があったので、期待していただけにちょっと残念でした。               ↓ パンフレットのバケツランの写真

f:id:myuu-myuu:20171122202143j:plain一見食虫植物のような形をしていますが、バケツ状の唇弁(唇のような形をした花弁)の中には水が入っていて、その中に落ちたハチがもがいて外に出ようとするときに受粉する仕組みになっているそうです。食虫植物は植物の栄養源とするために虫を呼びますが、このランは受粉のために虫を呼びます。

 他にも、菌に寄生して土の中で美しい花を咲かせるランやメスのハチと間違えて交尾してしまうランなどが写真で紹介されていました。世界には、受粉させるために虫を惑わす不思議なランがあるものなのですね。

 

 つくば蘭展は、いつ来ても美しいランや珍しいランを見られるだけでなく、植物に関する新しい知識を得られるので、大満足です。一緒に植物園を訪れた花友も、ゆっくりとランや温室の中などを見て、満足したようです。