12月11日から18日まで筑波実験植物園でラン展が開かれているので、見に行って来ました。ラン展は、つくば市のランの愛好家団体の展示と植物園が保有する野生ランの展示と2通りに分かれていました。愛好家のラン展は園芸種が主なので、華やかなランが多かったです。野生ランの方は小さな花や地味な色合いのものが多かったですが、面白いものがあって興味深かったです。
先に印象に残った野生ランの一部を紹介します。
↑ 3つともバンダ・サンデリアナ(フィリピン原産、フィリピンの国花) 真ん中が普通種で、両脇は赤い色素が抜けた種類だそうです。このバンダは、昭和天皇即位の祝宴に飾られたそうです。
↑ バンダ・セルレア(中国雲南省からミャンマー、ヒマラヤにかけて自生)大正天皇即位の祝宴に飾られたそうです。牧野富太郎が「ひすいらん」という雅な和名をつけたそうですが、和名にぴったりな花の色ですね。
↑ デンドロビューム・プセウドグロメラツム(野生にしては明るくきれいな色ですね。)
↑ プテロスティルス属 (サトイモ科のカラスビシャクに似た花を咲かせます。)
↑ バルボフィラム・カルンクラツラ(ハエが花粉を運びます。腐ったような臭いがします。この匂いで、ハエを呼び寄せるようです。)この花の形は、まるで踊っているピエロのようです。
↑ ラーセヴィッツラ・アマゾニカ(コロンビア・ボリビア原産)
↑ レナンティラ・アングスティフォリア(東南アジア原産)
↑ バルボフィラム・プルプレオラチス(アフリカ原産) 黒っぽい長い花穂がコブラに似ていることから、コブラオーキッドとも言われます。
↑ プレうロタリス・ヴィドアタ(自生地はエクアドルらしいです。) これは何に見えますか?下から見たものですが、クリオネに似ていると思いませんか?
↑ ドラクラ属 (吸血鬼ドラキュラのイメージで付けられたそうです。) 花の中央を見てください。何に見えますか? これは、下から見たものですが、おさるの顔に似ているので、モンキーオーキッドと言われます。
この展示会場には、ボランティアガイドさんがいていろいろ説明をしてくださいました。もし、この人たちがいなかったら、ああきれいだなあとか、小さな白い花だなあとか、地味な花だなあとかの感想を持って通り過ぎてしまったと思います。クリオネや猿に見えるランは、上や横から見ただけでは、白い小さな花で人目を惹くような花ではありません。「下から覗いて見てください。」という言葉かけがあったから、新鮮な発見があったのです。それにしても、自然の中でこれらの花を発見した人は、すごいです。