まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

「まつこの庭」は春の花盛り !!

 連日20度以上の気温が続き、春を通り越して、初夏になってしまったようです。

 我が家の庭の花も大慌てで、春の花を咲かせているようです。しだれ梅やヒメコブシの花があっという間に終わり、今はレンギョウが満開になり、クロモジやビックリグミミツマタなどが咲いています。花の咲く順番も何もあったものではありません。ムラサキハナナとスイセンやチューリップ、ハナニラなどが一緒に咲いて、庭は春真っ盛りです。毎日庭に出るのが楽しみです。5月の連休ごろ咲くはずのフジやモッコウバラの花芽が大きくなっているのには、ただビックリです。

f:id:myuu-myuu:20180403185758j:plain↑ レンギョウ    ↓ クロモジ   f:id:myuu-myuu:20180403190231j:plain

f:id:myuu-myuu:20180403190202j:plain↑ ビックリグミ     ↓ アカバミツマタ

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f:id:myuu-myuu:20180403190555j:plain普通ミツマタの花は黄色ですが、我が家の庭のミツマタは赤花です。

f:id:myuu-myuu:20180403190809j:plain↑ アオキの花(茶色をしています。)    ↓ ツバキ(絞りの八重咲きです。)

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f:id:myuu-myuu:20180403191312j:plain↑ 紫木蓮(シモクレン)    ↓ クレマチス・アーマンディ

f:id:myuu-myuu:20180403191003j:plain   中国原産のクレマチスで、冬でも葉が残る常緑性で、春に白い花を咲かせます。甘い香りがします。

f:id:myuu-myuu:20180403191517j:plain↑ ボケの花とハナニラ   ↓ ムラサキハナナとチューリップ

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f:id:myuu-myuu:20180403191740j:plain↑ 庭のあちこちに点在して咲くスイセン  ↓ 昔からある八重咲きのスイセン

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f:id:myuu-myuu:20180403192149j:plain↑ 原種スイセン・バルボコディウム   ↓  ムラサキハナナとブルークローバー 

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f:id:myuu-myuu:20180403192437j:plain普通クローバーは、豆の花形をした小さな花がたくさん集まって1つの花を作っていますが、このクローバーは葉は他のクローバーと同じですが、花が1つしか咲きません。

f:id:myuu-myuu:20180403193106j:plain↑ 玄関前のプランター     ↓ 咲き始めたチューリップ

f:id:myuu-myuu:20180403192942j:plainf:id:myuu-myuu:20180403193350j:plain↑ 春の寄せ植え   ↓ 春のキャンパスプランター

f:id:myuu-myuu:20180403193519j:plain左からフクシアルピナス、ガーベラ(オレンジと黄)、バーベナ、上にのっている鉢はフクシア

 

 ブログ「まつこの庭」は、今年の4月で3年目に入りました。私の庭で育てた花や庭にやってくる虫たちを紹介しようと思って始めたのですが、お花見のお出かけ記や花に関わる本の紹介などにまで広がってしまいました。見て下さる人たちも増えて、ブログを書く励みになっています。また続けて見て下さったら、うれしいです。

 

 

「まつこの庭」のクリスマスローズ(6)

 例年ならもう少し楽しめるはずだったクリスマスローズも、連日の初夏のような陽気で、あっという間に花が開き、色あせてきてしまいました。

 3月最後は、今シーズン最後のクリスマスローズです。

<シングル(一重)咲き>

f:id:myuu-myuu:20180331183757j:plain↑ ネオン   ↓ ゴールド

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f:id:myuu-myuu:20180331183936j:plain↑ ゴールドフラッシュ

<セミダブル(半八重)咲き>

f:id:myuu-myuu:20180331184108j:plain↑ ワインシフォン    ↓ メープルシフォン

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f:id:myuu-myuu:20180331184420j:plain↑ 白赤ピコティ              ↓ ホワイトゴールドピコティ

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f:id:myuu-myuu:20180331185003j:plain↑ アプリコット      ↓ 白グリーンネクタリー

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<ダブル(八重)咲き>

f:id:myuu-myuu:20180331184312j:plain↑ アプリコット   ↓ ミルフィーユ(赤と白のバイカラー、内側が赤、外側が白)

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f:id:myuu-myuu:20180331185618j:plain↑ アプリコット        ↓ エレガンスフレアーピンク

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<原種系、原種交配種>

f:id:myuu-myuu:20180331185931j:plain↑ ノイガー(花弁にかすかにピンク色がさしている。)

f:id:myuu-myuu:20180331190147j:plain↑ ピンクフロスト(リヴィダス交配)

<ビニールハウスの中のクリスマスローズ たち>

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< 庭植えのクリスマスローズスイセンなど>

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クリスマスローズのウエルカムフラワー>

f:id:myuu-myuu:20180331191648j:plain水鉢に水をはって、クリスマスローズの花を浮かべたものです。

 花が終わると花柄を切って植え替えをしたり、肥料をやったりして、6月頃から休眠期に入ります。9月頃に休眠から目覚め、早いものは11月から花を咲かせ、4月までの約半年の間、楽しませてくれます。例年なら緑色に変わった花を4月いっぱいは楽しめるのに、今年は早く終わりそうで残念です。サクラなどはもっと短い命のようですから、それに比べれば十分楽しめたと思います。

 

 

サクラとモモのお花見に出かけました !!

 昨日は各地で夏日になるほど暑い日でした。連日の暑さでサクラの開花がどんどん早まっているので、あわててお花見に出かけました。お目当ては、埼玉の幸手権現堂桜堤のサクラと茨城の古河総合公園の花モモです。

 高速に乗った途端に事故で渋滞、圏央道を走って、先ずはサクラ。

 堤の上のサクラの花のトンネルをくぐって、

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上を見上げると、

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下を見下ろすと、

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堤の下へ降りると、

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 埼玉きっての花の名所として知られる権現堂桜堤は、見渡す限りの菜の花畑(約5ha)と約1000本のソメイヨシノの桜並木、そして青空がウリのはずが、今年はサクラが早く咲きすぎて、菜の花はほんの少ししか咲いていなくて、同時に楽しむことができませんでした。ネットでは、サクラは5分咲きと言っていましたが、ほぼ満開でした。(気象予報などでは、80%開花すると満開と言うそうです。)菜の花も一面に咲いたら、どんなに見事なことでしょう。

 反対側の堤下の出店が何十と立ち並ぶ並木道を通って、

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サクラ見物は終了です。サクラを堪能できました。菜の花があまり咲いていなかったのが、ちょっと心残りです。

 次は、約15㎞離れた茨城の古河総合公園へ花モモを見に。埼玉と茨城というとちょっと離れている感じがしますが、この辺りは茨城、埼玉、栃木、群馬など県境が入り組んでいる場所で、30分ぐらいで各県へ移動できるのです。

 古河総合公園へ入ると、桃娘のお出迎えです。

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ここの公園で咲いているモモは濃いピンクの八重咲きの矢口という種類がほとんどだそうです。わずかに赤や白、赤と白が1本の木に咲く源平という種類がありました。花は散り始めていて、盛りを過ぎていました。

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 エノキにフジツルがからまった「ブランコの木」という木があり、子どもたちがぶら下がったり、よじ登ったりしていました。f:id:myuu-myuu:20180329184318j:plain

 花の名所と言われるところは、平日でも、今の時期どこへいっても人で賑わっていました。サクラの花見は何度かしたことがありましたが、モモの花は初めてです。私の庭にはないので、よい機会でした。

 とにかく暑い一日でした。車の外気温は最高26℃を示していました。こんな調子では、花の開花時期が大幅に狂ってしまいますね。

 

 

 

 

 

 

「まつこの庭」に春が来た !!

 彼岸が過ぎて、今日など私の庭は日中20℃を越えました。春を通り越して初夏の陽気です。草取りをしていると、汗ばむほどです。

 「まつこの庭」にも大慌てで、一気に春がやってきて、桜が咲き始めました。

f:id:myuu-myuu:20180326165146j:plain高さが2メートル位の小さなうすピンクの花を付けるサクラです。

f:id:myuu-myuu:20180326170146j:plain近くで見ると白いのですが、離れてみるとかすかにピンクがかっているのです。庭に自然と生えてきたもので、名前も由来も分かりません。小鳥のプレゼントか、鉢花にくっついてきたのか、どちらかだと思います。

f:id:myuu-myuu:20180326165616j:plain竹林の中に咲くヒガンザクラです。竹より高く背を伸ばして、花を咲かせています。勝手にヤマザクラだと思っていましたが、昨年桜川のサクラを見に行って、サクラには木肌の模様が横と縦のものがあり、縦のものはヒガンザクラであるということを知り、我が家のサクラはヒガンザクラと分かりました。ヤマザクラは横です。

f:id:myuu-myuu:20180326170323j:plain  カワヅザクラもあるのですが、一足早く咲くはずが、2月は寒かったので今頃咲いて、葉も開いて、花と葉を同時に見るようになってしまいました。

 サクラの開花は、今年例年より10日ほど早いようです。原因は冬の低温と春先の高温だそうです。サクラの花芽は、前年の夏に形成され、その後休眠期間に入ります。その休眠から目覚めるためには、冬の低温に一定期間さらされる必要があるそうです。それを「休眠打破」と言うそうです。今年の冬は極端に寒く、春先が初夏のように急激に暖かくなったので、休眠打破のスピードが加速されたそうです。東京と九州の開花がそれほど違わないのは、冬の気温が九州は東京ほど寒くなかったからだそうです。九州の冬の平均気温が温暖化の影響で、年々高くなっているので、このままでは、サクラが休眠打破できずに開花しないというようなことが起こる心配があると言っていました。

 チューリップの球根などもこの休眠打破が必要な植物で、アイスチューリップと言って冬にチューリップを咲かせるのは、冬になる前に冷蔵処理をして季節を錯覚させるのです。

 「まつこの庭」のチューリップも、サクラと同様に例年より10日ぐらい早くお彼岸から花を咲かせてしまいました。

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 「まつこの庭」でしだれ梅に続いて2番目に春を告げるヒメコブシが、今年はサクラと一緒に開花です。いろいろな花が咲く順番を狂わせています。

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f:id:myuu-myuu:20180326175109j:plain↑ ヒメコブシ   ↓ ボケ

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f:id:myuu-myuu:20180326173741j:plain↑ ヒイラギナンテン    ↓ アオキの実

f:id:myuu-myuu:20180326174057j:plainアオキは、3、4月頃に花を咲かせ、秋に実が赤くなり、4月頃まで実が残り、花と実が同時に楽しめるそうです。(白っぽくとんがっているのが花芽です。)

f:id:myuu-myuu:20180326175011j:plain↑ レンギョウ          ↓ カタクリ

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f:id:myuu-myuu:20180326175318j:plain↑ ヒアシンスとスイセン   ↓ 開花を待つ玄関前のチューリップ

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 あんなに待ちわびていた春ですが、一気に花が咲いて、ゆっくり楽しむ間もなく花が早く終わってしまいそうな気がします。例年なら5月の連休の頃まで楽しめるチューリップは、今年はどうでしょうか?

 暖かくなったらなったで、雑草もどんどん伸びてきます。苦手な虫たちもたくさん出て来ます。戦闘開始です。きれいな花を楽しむのも楽じゃありません。

春の洋らん展

 「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言いますが、今回の彼岸期間中は夏の陽気から真冬の陽気まで目まぐるしく変化して、ただ驚くばかりの初めての経験でした。

 近くの花木センターでらん展を開催しているというので、出かけました。21日から25日まで、茨城蘭遊会が主催する春の洋らん展です。以前はイオンのホールを借りてらん展を行っていたそうですが、会場費などの問題で、会場が変わったそうです。

 私が想像していたよりずっとたくさんのランが展示されていて、たくさんの賞が付いていて、ビックリしました。初めて見るランもたくさんあって、しかもお客さんがほとんどいなかったので、ゆっくり見ることが出来て、よかったです。

<カトレアの仲間>

f:id:myuu-myuu:20180323203634j:plain↑ ランディート・ヨコカワ  ↓ トリック・オア・トリート

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f:id:myuu-myuu:20180323203947j:plain↑ インターメディア   ↓ グアテマレンシス

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f:id:myuu-myuu:20180323204145j:plain↑ モッシエ     ↓ マキシマ

f:id:myuu-myuu:20180323204241j:plain「こんなに濃い色のマキシマを初めて見た。」と思わずつぶやいてしまったら、近くにいた人が、「そうでしょう。14年前にこんなに(指で示して)ちっちゃな苗を買った時に2万5000円もしたんです。」と返事が返って来たのに、ビックリ。このマキシマの持ち主だったのです。何人かでこの苗を買ったら、4年後にその人は思い通りの色が出て大喜びしたけれど、その人のお友達は薄い色の花が咲いて2万5000円をどぶに捨てたとがっかりしたそうです。写真より実物の方がもっと黒っぽい色をしていました。

 

<デンドロビュームの仲間>

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f:id:myuu-myuu:20180323205605j:plain↑ リンドレイ     ↓ ガットンサンレイ

f:id:myuu-myuu:20180323205515j:plainリンドレイもガットンサンレイも見事な大株で、圧倒されました。ガットンサンレイは今から20年ぐらい前に我が家にもありましたが、枯れて今はありません。すごく懐かしい気がしました。

パフィオペディラムの仲間>

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<バンダの仲間>

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<その他のラン>

f:id:myuu-myuu:20180323210632j:plain↑ シィシス      ↓ エンシクリア

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f:id:myuu-myuu:20180323211534j:plain↑ シンビジューム・トラシアナム (こんなに濃い色のものは初めて見ました。夫はトラに似ているとは思ったけど、まさかトラとは思わなかったと言っていました。)

f:id:myuu-myuu:20180323211704j:plain↑ オエオニエラ・ポリスタキス(初めて見たランです。花径1㎝ぐらいの小さな花がびっしりと咲いていました。)

 

 らん展はいつ行っても、大株作りや初めて見るランで楽しめるのですが、今回も期待を裏切らなかったです。一緒に行った夫の「もっと規模が小さくてたいしたことないと思っていた。」ではないですが、期待以上のものを見ることができたように思いました。懐かしいランにも出会えました。

 会場では、会員の方が育てたランの苗を売っていたのですが、そこで懐かしい株に出会いました。1つはオレンジ色が気に入っていたのに枯らしてしまったカトレア、もう一つはドームで大賞をとったカトレアですが、高くて手が出なかったあこがれのカトレア、2つも格安で手に入ってラッキーでした。

 まだまだラン熱は冷めそうにないようです。

コームとシクラメン

 「まつこの庭」の温室で1月~3月ごろまで花を楽しませてくれるのが、ランの他にシクラメンです。原種シクラメンや園芸種のシクラメンが約30鉢ぐらいあります。

 原種シクラメン・コームは、トルコ、ジョウジア、イランなどの原産で、冬咲き原種を代表する原種です。原種シクラメンは23種あると言われ、春咲き、夏咲き、秋咲き、冬咲きがあります。花は形が丸みを帯び、色もピンクの濃淡、白、ピコティなどがあります。葉も丸く、いろいろな模様が有り、観葉植物として楽しむ人もいます。

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f:id:myuu-myuu:20180320141917j:plain秋咲きのヘデリフォリウムと並んで、コームは育てやすいと言われます。庭植えにもできますが、わたしの庭は水はけが悪いので、すべて鉢植えで温室の中で育てています。

 他にも秋咲きのアフリカナムやシリシアム、グラエカムなどがありますが、ヘデリフォリウムほどよく花をつけません。

 園芸種のシクラメンの元になったのは、春咲きのペルシカムですが、寒さにやや弱いようです。市販されているのを見たことがありません。ペルシカムは、原種の中で最も成長が早く、種まきから1年半で花を見ることができるそうです。この特質が園芸種の元になった理由かもしれません。

 今「まつこの庭」の温室では、昨年無事夏越しした園芸種のシクラメンが盛りです。

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f:id:myuu-myuu:20180320144001j:plain 例年夏越しできるシクラメンは、大体寒さに比較的強いと言われるガーデンシクラメンで、二色咲きや八重咲き、フリル咲きなどのちょっと珍しい種類は枯れてしまう事が多いです。温室に入れっぱなしなので、完全に水を切れないからです。最近はガーデンシクラメンと呼ばれるものも種類が多くなって、夏越しが容易になったように思います。それでも夏越しできるのは半分ぐらいで、夏越しできたからといって花を咲かせるとは限らないので、今年は比較的よく咲いた方だと思います。

 去年の暮れに手にいれたシクラメンは、一体何鉢夏越しできるのでしょうか?

 

 

花の図書館(2)「紫の花伝書」 花だいこんを伝えた人々

 「まつこの庭」に花だいこんが咲き始めました。私の庭では、もう30数年間絶えることなく、春先になると庭いっぱいに咲かせ続けてきました。この花は、花だいこん、ムラサキハナナ、オオアラセイトウ諸葛菜(ショカツサイ)などたくさんの名前を持つことで知られています。私はこの花を「ムラサキハナナ」と呼んでいます。

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 2回めの花の図書館は、「紫の花伝書」です。サブタイトルにもあるように、中国から日本へ花だいこんを伝えた人々のお話です。

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 この本は、大震災の翌年2012年に出版されました。

 著者の細川 呉港(ほそかわ ごこう)さんは、長く出版社に勤め、定年になってから花だいこんの中国大陸から日本への伝来のルートを探し続け、それを報告書としてまとめたのです。大学1年の春に線路の土手に群生していた紫の花(当時は花だいこんという名前すら知らなかったそうです。)に魅了され、45年間もその植物の名前やルーツを気にし続け、定年を待ってその花のルーツを探す旅に出られたそうです。日本国内はもとより、中国にまで足を延ばす情熱にはただ官服するだけです。

 この情熱を維持するのに、朝日と読売の2つの新聞紙上を賑わせた名前や伝えた人をめぐっての「花だいこん論争」の役割も大きかったと思います。著者の興味関心をおおいに刺激したに違いありません。なにしろ様々な花だいこんの名前が飛び交う中、昭和天皇が花だいこんに牧野富太郎博士がオオアラセイトウという正式名称を付けていることを指摘したというエピソードまであったのですから。

 著者によると、花だいこんには、5つのルートと5人の人生の軌跡が込められていることが分かったそうです。名前も伝えられたルートによって違ったようです。

      ※(  )は花だいこんの別名です。

        ピーチーツァイとペイハイツァイの漢字名は変換できませんでした。

 1.南京ルート(藍塵菜・ランジンツァイ)と陸軍薬剤少将(紫金草・シキンソウ)

 2 上海ルート(ピーチーツァイ) と銀行の支店長(上海花・シャンハイバナ)

 3 北京ルート (紫羅蘭・ズーローラン)と亡命中国人政治家 

 4 満州ルート①(ペイハイツァイ)と満鉄総裁

 5 満州ルート② と 満州開拓団の女教師

 いずれも戦時中中国に渡っていた人たち(ルート3は違いますが)が、戦後日本へ引き上げる際に持ち帰ったようです。焼野原になった日本の街を花でいっぱいにしたいという思いもあって、持ち帰った種をあちこちに蒔いたり、他人に譲ったりしたようです。その際に現地で呼ばれていた名前が呼びづらいので、自分で名前を付けた人もあるようです。

 中国での名前がたくさんあるのは、中国は広い上に識字率が低く、そのため地方によってさまざまな呼び名が付いたようです。中国では「諸葛菜(ショカツサイ)」と呼ばれることが多いですが、標準名はペイハイツァイとされているそうです。

 「まつこの庭」の花だいこんは、ルート1のようです。ルートの1の軍人さんは、石岡の薬局の人で、中国の紫金山で見た花だいこんに心惹かれ、紫金草の名前を付けて日本に持ち帰り、花ダイコンを広めました。その人の息子さん夫婦は新聞の投書欄を通して日本全国に種を配ったり、日中国交回復前に中国に花ダイコンの種を贈り里帰りさせたり、1995年のつくば万博の際には、花だいこんをピースフラワーとして世界中の人に配る運動をしたりしたそうです。私の庭の花だいこんは、おそらくその万博の際に貰った種だと思います。職場の同僚から頂いたものですが、どういう言われがあったか教えてもらったかどうかも忘れていますが、我が家の庭で30数年咲き続けていることを考えるとぴったり合います。今さらながらに、花だいこんのルーツに思いを馳せています。

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 花だいこんはアブラナ科の植物で、黄色の花を咲かせるアブラナの仲間です。中国原産で、中国では諸葛菜(中国の軍師、諸葛孔明が兵糧にしたという逸話がある。)と呼ばれることが多く、日本名はオオアラセイトウです。ムラサキハナナという名前は、種苗会社が花だいこんの種(ルート4で伝わった種)を売り出すときに付けた商品名だそうです。私には、オオアラセイトウという名前よりもムラサキハナナという名前の方が、この花にはぴったりのような気がします。ちなみに、アラセイトウというのは、ヨーロッパ原産のストックの和名です。

 花だいこんという一つの植物をめぐって、こんなにもたくさんの人々を繋ぎ、人々の人生模様が描かれるという花の持つ力、魅力に驚かされます。この本の中に登場するたくさんの人だけでなく、著者の細川さん自身が何より花だいこんに魅了されていたことが分かります。何より私がこの本を読むことによって、ムラサキハナナがますます好きになりました。