まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

「まつこの庭」のお正月

 新年おめでとうございます。

 2019年の、そして平成最後のお正月を迎えました。

 暮れに玄関前を飾るお正月飾りを作りました。

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 門松は裏山から竹を切って来て作りました。去年に続いて2回目の挑戦なので、いくらかスムーズにできたように思います。竹を斜めに切断するのはなかなか大変でしたが、切断面は小刀で滑らかに削れました。夫の小刀研ぎの腕が上がったのか、私の小刀使いが上達したのかは定かではありませんが、夫からの削りのダメ出しはありませんでした。断面の大きさが不ぞろいなのは、手作り感が満載で、ご愛敬です。手作りの門松に葉ボタンとスイセンをあしらいました。高さが1メートル近くなってしまいました。  もう一つ小さめのも作りました。これは70㎝ぐらいです。

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 キャンパスプランターにもミニ門松を添えました。

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 葉ボタンとヘデラ、ハナカンザシ(白い小さな花)、スイセンワイヤープランツヤブコウジ(赤い実)に鏡餅と鶴のピックを合わせました。ピックを添えるだけでお正月の雰囲気が出てくるので便利です。

 玄関の右側は、

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 玄関の左側は、

f:id:myuu-myuu:20190102121645j:plainというようににぎやかに飾り付けができました。

 玄関の内側には、自己流の生け花(?)を飾りました。

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 この生け花らしきものは、ここ20年ぐらい続けています。志野焼きの花瓶に松と銀柳とナンテンにカトレアをあしらうのが私流です。買ったのは松と銀柳だけで、ナンテンもカトレアもスイセンも私の家で咲いたものです。カトレアは年末にたまたま咲いているものを使うので、毎年違った作品(?)ができます。今年はアンセプスというカトレアで、花はやや小ぶりで長い茎に花を咲かせるので、3本使いました。テレビのプレバトで3本の花を不等辺三角形になるように配置すると良いと言っていたので、そうしてみたら、ちょっと空間ができたので、スイセンも添えてみました。

 和蘭も飾ってみました。年賀状にも使いました。

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 和蘭3種で、真ん中のピンク色の花が「大和撫子やまとなでしこ)」、左側が「一葉(いちよう)」、右側が「初音(はつね)」です。和蘭というのは、東洋ランとシンビジュームの交配でできたランです。

 お正月用にプリムラの寄せ植えも作ってみました。

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 今年も庭で花を育て、花を求めて小さな旅に出、巡り合った花々をブログに載せてという花三昧の日々を過ごすようになると思います。今年はどんな新しい花との出会いが待っているのか、とても楽しみです。

 今年もどうぞ「まつこの庭」にお付き合いください。

 

冬の「まつこの庭」

 今日は大晦日。2018年も今日で終わりです。

 暖冬と言われながらも年末寒波で今朝など私の家の軒下で-7℃を記録し、例年通りの寒い年越しになりそうです。

 今年最後は、冬の「まつこの庭」の様子です。12月の半ばまで元気に咲いていた皇帝ダリアや皇帝ヒマワリも1度の大霜ですっかりダメになり、一面霜枯れた庭になっていますが、所々に秋の名残の木の実や花が彩を添え、冬咲きの花がひっそりと花をつけています。

f:id:myuu-myuu:20181231172221j:plain↑ ナンテンの実   ↓ ヤツデの実

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f:id:myuu-myuu:20181231172356j:plain↑ スモークツリーの黄葉   ↓ シュウメイギクの咲きがら

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f:id:myuu-myuu:20181231172640j:plain↑ まだまだ元気なミニつるバラ・珠玉    ↓ クリスマスローズ

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f:id:myuu-myuu:20181231172547j:plain↑ ロウバイの花    ↓ 日本スイセン

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f:id:myuu-myuu:20181231173117j:plain↑ 春を待つカールドンの冬芽   ↓ 春を待つミツマタの蕾

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 庭は霜枯れて寂しいですが、「玄関前はいつもそこだけ春のようですね。」と新聞の集金のお姉さんが言いました。

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 陽だまりではノラ猫が親子でくつろいでいます。

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f:id:myuu-myuu:20181231173902j:plain白のパパネコとチャトラとミケの兄弟(姉妹?)です。ちょっとチャトラとミケが重なっていて見づらいですが・・・・・。この兄弟は春に生まれたようです。夏の頃から「まつこの庭」に顔を出すようになりました。

 なにも無いような寂しい冬の庭でも、いろいろな発見があります。植物たちがじっと春を待っているのです。

 今年1年を振り返ると、大寒波、大雪、春の夏日、豪雨、猛暑、台風、冬の夏日と異常気象の連続でした。地震も何度もあり、災害の多い年でした。来年こそ平穏な1年が過ごせますように願っています。

 今年1年「まつこの庭」にお付き合い頂きましてありがとうございました。皆さまどうぞよいお年をお迎えください。

 

年の瀬のガーデンセンター

 月に1度ぐらいの頻度で出かける千葉ニュータウンのホームセンターへ出かけました。テレビなどでもよく取り上げられるホームセンターです。そこのガーデンセンターはこの辺りのガーデンセンターや花木センターの中では一番品揃えが良いのではないかと思っています。先月出かけた時は、クリスマス一色でしたが、今回は内売り場も外売り場もお正月一色で、お正月向けの寄せ植えやアレンジでいっぱいでした。

 内売り場の寄せ植えは正確には寄せ鉢で、大きな鉢やバスケットに数株寄せて、お正月飾りのピックなどがあしらわれています。

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 豪華なシンビジュームもいっぱい飾られていました。

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 ランを使った豪華な寄せ植えだけでなく、お手頃価格のカジュアルな寄せ植えやアレンジもたくさんありました。

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f:id:myuu-myuu:20181227133734j:plainお正月飾りのピックや小物などもたくさん並んでいました。

 外売り場もお正月気分満載でした。

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 普通の寄せ植えもたくさん飾って有りました。

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f:id:myuu-myuu:20181227134848j:plainちょっとした寄せ植えやリースに〇千円という値段が付いているので、ビックリです。自分で作れば、材料費だけで2,3千円でできるのに・・・・と思ってしまいます。花苗も豊富に取り揃えてあり、見ているだけで、私の寄せ植えの創作意欲(?)が高まります。

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 たくさんの花苗や寄せ植えなど見て、大満足でした。見るだけでも満足なはずなのに、つい可愛い花を見ると買ってしまいます。お正月飾りのピックも買いました。

 これからお正月の寄せ植えを作ることにしましょう。






 

「まつこの庭」の冬のバラ

 12月になっても暖かな日が続いたので、「まつこの庭」ではいつになく秋バラがたくさん花をつけ、喜んでいました。車で街を走っていても、あちこちでたくさん花をつけたバラを見かけ、思いがけず秋バラを遅くまで楽しむことができるなあと思っていました。ところが12月の半ばになって突然本格的な寒さがやってきました。

 大霜の朝、凍りついてシャーベットの様になっていたバラも

f:id:myuu-myuu:20181223133740j:plain↑ スウィートマザー ↓ コーネリア   

f:id:myuu-myuu:20181223133833j:plain日が昇ると解けて、元のバラに戻りました。

f:id:myuu-myuu:20181223133921j:plain↑ スウィートマザー   ↓ コーネリア

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 バラは寒さに比較的強いようで、「まつこの庭」では軒下や霜枯れた庭でけなげに花を咲かせています。今回は12月に「まつこの庭」で咲いた冬のバラです。寒さが厳しくなると、花弁の色が濃くなり、春や夏の花とはまた違った表情を見せてくれます。

f:id:myuu-myuu:20181223135135j:plain↑ アーグスタルイーゼ     ↓ ボレロ

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f:id:myuu-myuu:20181223135259j:plain↑ ペルルドール     ↓ ピンクドリフトローズ

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f:id:myuu-myuu:20181223135451j:plain↑ アプリコットドリフトローズ   ↓ ピーチドリフトローズ

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f:id:myuu-myuu:20181223135635j:plain↑ クイーンエリザベス    ↓ アブラハムダービー

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f:id:myuu-myuu:20181223135832j:plain↑ ミニバラ・アイスグリーン  ↓ ロマンティックレース

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f:id:myuu-myuu:20181223140257j:plain↑ ミニつるバラ・レッドキャスケード   ↓ ミニバラ・モカ

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f:id:myuu-myuu:20181223141433j:plain↑ コウシン(庚申)バラ   中国原産のバラで、日本には室町時代以前に渡来し、薔薇(そうび)と呼ばれたそうです。冬薔薇というとこのバラを指すようです。庚申(かのえさる)は千支の組み合わせの57番目で、およそ2カ月に1回訪れるので、このバラもその位の割合でたびたび開花するという意味で名付けられたそうです。中国名は月季花といい、年中咲き続けるという意味の長春花の名もあります。学名はロサ・キネンシスです。ヨーロッパにはオールドローズと言われ、春だけ咲く一季咲きと言われるバラしか有りませんでしたが、コウシンバラの導入により初めて4季咲きの性質をもつモダンローズと言われるバラが誕生して、今に至っています。

f:id:myuu-myuu:20181223141124j:plain↑ ↓ ミニつるバラ・珠玉  

f:id:myuu-myuu:20181223140105j:plain12月も末になろうというのに、一番元気なのが珠玉です。春先の1番花のようにたくさん花をつけています。霜で花弁がちょっと傷んではいますが・・・・・。

f:id:myuu-myuu:20181223141005j:plain↑ いおり  このバラも年中花を咲かせます。今年ももうすぐ終わろうとしているのにたくさんつぼみをつけていますが、果たして咲くことが出来るのでしょうか?

 今の時期はつるバラの剪定と誘引の仕事があります。1月2月は枝の剪定や鉢バラの植え替え、施肥など、来春きれいなバラを咲かせるための仕事がたくさん待っています。庭は休眠状態ですが、私は休んでいられません。

 

 

クリスマスの花・ポインセチアとシクラメン

 クリスマスと言うと、ポインセチアシクラメンを思い浮かべます。クリスマスのちょうど今頃の時期に花の最盛期を迎えるので、店頭に色とりどりのポインセチアシクラメンが並びます。年々ポインセチアシクラメンも新しい品種が出て来て、新しいもの、珍しいもの大好き人間の私は、あれもこれも欲しくなってしまいます。

 ポインセチアシクラメンを使って、クリスマス飾りを作ってみました。

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f:id:myuu-myuu:20181219154704j:plainキャンバスプランターの中には左からポインセチア、ハボタン2種類、ワイヤープランツカランコエ(ベル型)、シクラメンナデシコ・レディイングリーンです。上にのっているクリスマスのオーナメントのかごに入っているのはポインセチアです。

f:id:myuu-myuu:20181219155554j:plain↑ ポインセチア・プリンセチア・ゴールド  ↓ ミニシクラメン・チモ(八重咲き)

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f:id:myuu-myuu:20181219155828j:plain↑ ポインセチア(葉の縁が少し波打っています。)

f:id:myuu-myuu:20181219160138j:plainキャンバスプランターの下はシクラメン4種類、ビオラの寄せ植え、多肉植物のリース、クリスマスローズです。

f:id:myuu-myuu:20181219160424j:plain↑ セレナーディア・ロイヤルブルー   ↓ セレナーディア・ライラックフリル

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f:id:myuu-myuu:20181219160715j:plain↑ シクラメン・ペチコート(下向きフレアー咲き)    ↓ シクラメン・ピアス(2色咲き)

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f:id:myuu-myuu:20181219163204j:plain↓ シクラメン・ウエディングドレス(下向きロココ咲き)

f:id:myuu-myuu:20181219163408j:plain↑ シクラメン・リトルマタドール(下向きフレアー咲き)

f:id:myuu-myuu:20181219162011j:plain↑ クリスマスローズ・ピンクピコティダブル  ↓ アプリコットダブル

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f:id:myuu-myuu:20181219161018j:plain↑ クリスマスの寄せ植え(コニファーとユリオプスデージー(黄色の花)とキンギョソウアプリコット色)とハボタン)

f:id:myuu-myuu:20181219161329j:plain↑ シクラメン・天使の翼  今年の新品種です。花弁の裏側が鳥の羽のようになっているので、この名がついたそうです。変わっているのは花弁だけでなく、葉もくるっと巻いています。前に買った物はこれほど葉が変形していませんでした。

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f:id:myuu-myuu:20181219164850j:plain↑ ↓ 温室の中で根を降ろし、天井まで伸びたポインセチア 

f:id:myuu-myuu:20181219165009j:plain赤く色付いたものは花ではなく葉です。花は中心のつぶつぶしたものです。まだ花は開いていません。みんな「あの赤い花は何?」と聞きます。ポインセチアと知るとみんな驚きます。ほとんどの人は地植えのポインセチアを見た事がないからです。

f:id:myuu-myuu:20181219162604j:plainホワイトクリスマスをイメージして、白のハボタンをメインにしたリースも作りました。初めは白かったハボタンですが、日が経つにつれて真ん中がグリーンやピンクがかってきてしまいました。でも、「まつこの庭」を訪れる人は、みんなステキ!!と褒めてくれます。

 ホワイトクリスマスというのは、正確には「雪のあるクリスマス」という意味で、雪が降っているのではなく、雪が積もっている状態を言うそうです。ちなみに雪のないクリスマスを「グリーンクリスマス」と言うそうです。特に南半球では、クリスマスの時期は夏なので、当然雪は無く、「グリーンクリスマス」という言葉が使われるそうです。今年のクリスマスはホワイトクリスマスの可能性はないそうです。






 

 

花の図書館(5)そらみみ植物園

 花の図書館の5回目は、西畠清順(にしはたせいじゅん)さんの植物にまつわるエッセイ集です。そらみみ植物園と名付けるぐらいですから、世界を旅する中で出会った耳を疑う様な珍しい植物ばかりを取り上げています。

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 西畠清順さんは花と植木の卸問屋の5代目で、日本全国、世界数十カ国を植物を求めて飛び回る現代のプラントハンター(17世紀から20世紀中期にかけアジアや中南米からヨーロッパへお茶や香辛料、珍しいランなどの花を運んだ職業)と言われる人です。植物を使った大掛かりなイベントのプロデュースも行い、テレビなどでもよく取り上げられています。

 このエッセイ集は、9章から成り立っています。

   1 おそるべき才能をもった植物

   2 イラっとする植物

   3 記録より記憶に残る植物

   4 秘境・ソコトラ島の植物

   5 マジで!?な植物

   6 残念な植物

   7 ムラムラくる植物

   8 愛を語る植物

   9 世界を変えた植物

 どの項目も西畠さんの機智に富んだ見出しが付けられていて、思わず「おもしろそう!」と言ってしまいそうです。それらのたくさんのおもしろい話から3つだけ紹介します。

 

 1つ目は「おそるべき才能をもった植物」から「ヒマラヤ原産の温室」です。その温室はネパール東部とチベット南東部のヒマラヤ山脈の標高3500~5000mの岩場に見られるそうです。

f:id:myuu-myuu:20181215165234j:plainえっ!どこが温室なの?とこの写真を見て思いますよね。これはセイタカダイオウと言う植物ですが、植物そのものが温室植物なのだそうです。セイタカダイオウと言う植物は、自ら半透明の葉をテントのように張って、背の高いドーム状の温室を作りその中の空間を温めて、自分が咲かせた大切な花を育てているのだそうです。ちなみに温室の中は外気よりも10℃ぐらい暖かいそうです。ヒマラヤの厳しい寒さに適応し生き抜くための植物の知恵ってすごい!と思わせられますよね。こんな話がおそるべき才能をもった植物の中にはあといくつか載せられています。

 2つ目は、「マジで!?な植物」の中から「ウスネオイデスの正体」です。ウスネオイデスは私の温室にもいくつかぶら下がっています。

f:id:myuu-myuu:20181215171001j:plain左側の植物がウスネオイデスで、右側の人が西畠清順さんです。

 ウスネオイデスは、メキシコ原産のパイナップル科の植物で、別名「サルオガセモドキ」と言います。私はウスネオイデスはエアープランツで鑑賞植物と思っていましたが、メキシコでは見た目で想像出来うる限りのいろいろな使い方がされているそうです。古くは左官や陶芸の材料として、戦いの時は矢の先端に巻いて火をつけ武器として、煎じて頭痛薬として、現代ではクッション材としてフォード車のシートに使われたり、日本ではフラワーアレンジの素材として使われたりするそうです。メキシコではクリスマスになると街角で袋詰めされたウスネオイデスが売られるそうですが、何と家のキリスト像のまわりにウスネオイデスを敷き詰めて聖域的な場所を作り、聖夜を迎えるのだそうです。

 私はウスネオイデスは空気中の水分を吸って生きているエアープランツと初めから認識していましたが、メキシコの人は使い方がほとんど乾燥している状態を想定しているのでウスネオイデスを植物とは認識していないのではないかとさえ思ってしまいます。それが「マジで!な植物」ということなのでしょうか。

 3つ目は「残念な植物」から「ああそうかい」です。「ああそうかい」って何?

f:id:myuu-myuu:20181215174638j:plainああそうかいは「アアソウカイ」という植物なのです。

 アアソウカイはキョウチクトウ科の植物で、全身を長いトゲで覆い、白くてかわいい花を咲かせます。なぜこの植物がアアソウカイという名前を付けられたかについては、知ると「ああそうかい。」と言いたくなるほどがっかりするので、筆者は「ネットで検索しないで欲しい。」と結んでいます。

 そう言われちゃうと調べて見たくなるんですよね。

 ああそうかい(アアソウカイ)は漢字で書くと「亜阿相界」と書きます。意味は、この植物の原産地がマダガスカルで、アジア(亜細亜)とアフリカ(阿弗利加)の境界にあるということから、小説家でありサボテン研究家である龍胆寺雄さんという人が命名したそうです。本当に「ああそうかい。」と言いたくなりますよね。

 

 「そらみみ植物園」では、61の植物が取り上げられていますが、読むと「広い世界にはこんな変わった植物もあるんだ。」「こんな凄い知恵をもっているんだ。」ということをしみじみと思わされます。比喩表現がおもしろく楽しい文章で、植物の好きな人も植物にさほど興味の無い人も西畠植物ワールドに引き込まれていくと思います。

 

 

 

「まつこの庭」の初冬のラン

 12月に入っても暖かな日が続き、夏日になる日もありましたが、昨日から急に冷え込み始めました。昨日の朝、今朝と我が家の軒下では-4℃を記録しました。大霜で初氷でした。あんなに元気に咲いていた皇帝ダリアや皇帝ヒマワリ、変わりアサガオのミナロバータなど一晩でダメになり、見るも哀れな姿になってしまいました。庭を唯一彩ってくれていた花たちも最後を迎え、花の無い寂しい庭になってしまいました。

 今回は、11月から12月の初めに「まつこの庭」の温室で咲いた初冬のランです。

<カトレアの仲間>

f:id:myuu-myuu:20181211143408j:plain↑ ポーシャカニザロ    ↓ マキシマ・コンカラ

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f:id:myuu-myuu:20181211144032j:plain↑ パストラルイノッセンス・ローザ      ↓ パオラ・マタノ

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f:id:myuu-myuu:20181211144328j:plain↑ フルデレンシス

コチョウラン> 黄色とオレンジ色の2色咲きのミディコチョウランです。

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オンシジューム> ダンスをするお人形のような花の形をしています。

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<シンビジュームの仲間>

f:id:myuu-myuu:20181211144906j:plain↑ テーブルシンビジューム・ピーチ姫   ↓ 和蘭・ふるさと

f:id:myuu-myuu:20181211145053j:plain春の終わりに「シルクロード」と名札のついた安くなった苗を買って育てたところ、8月に花が咲きビックリ!。しかもピンク色の花が咲くはずのシルクロードとは似ても似つかない花が咲き2度ビックリ!!。そして11月の初めに再び花が咲き、3度目のビックリ!!!。調べてみたところ秋と春に2度咲く事もあるという和蘭の「ふるさと」ということが分かりました。

 和蘭というのは、清楚で趣のある姿と洋ランの華やかさを併せ持つ新しいランとして、1980年代に東洋ラン(春蘭、報歳蘭、駿河蘭、寒蘭など)と洋ラン・シンビジュームとの交配により誕生した小型のランで、1990年代に店頭に並ぶようになり、今では広く流通し家庭のテーブルの上で楽しまれるようになったようです。

 和蘭は春蘭系(小株で耐寒性が強い系統)、蓮弁蘭系(葉が細く、気品ある芳香をもつ系統)、報歳蘭系(大型で芳香性が強い系統)、駿河蘭系(耐暑性と芳香性が強い系統)、金陵辺系(極小輪で輪数が多く、強健な系統)、多種系(複数の東洋ランの原種から多様な魅力を引き継ぐ系統)に分けられるそうです。ふるさとは駿河蘭系です。

 他にも「まつこの庭」の温室では、いくつかの和蘭が咲き始めています。

f:id:myuu-myuu:20181211151739j:plain↑ 和蘭春一番(春蘭系)    ↓ 和蘭・初音(春蘭系)

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f:id:myuu-myuu:20181211152023j:plain↑ 和蘭大和撫子(蓮弁蘭系)   ↓ 和蘭・一葉(多種系)

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 寒さはこれから本番を迎えますが、温室の中ではこれから花のシーズンを迎えるランたちがつぼみを膨らませ、出番を待っています。年を重ねた我身には寒さが堪えますが、寒さに反して賑やかになっていく温室の中を覗くのがこれからの楽しみです。