まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

オナモミとオオオナモミ

 10月に入り、朝夕めっきり涼しくなり、セミの鳴き声を聞くこともなくなり、すっかり秋らしくなりました。「まつこの庭」ではカキやユズなどの木の実、ジュズダマオナモミなどの草の実が実りつつあります。今回は、ちょっと気になっていたオナモミについて取り上げました。

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 私の庭にはオナモミがあり、秋になると何の疑いもなく、ブログで秋の草の実としてオナモミを紹介して来ました。ところが、私の庭のオナモミオナモミではなく、オオオナモミらしいということに気づかされたのです。

 私の好きなTV番組の1つにプレバトがあり、その中でも夏井先生の俳句のコーナーが大好きです。8月の炎帝戦で優勝したフジモンの俳句です。

  「ラジオ体操 おおおなもみの ある空き地」

 夏井先生が、「時代性、空気感が良い」と絶賛しましたが、2つ気になることがありました。1つ目は、オナモミではなくオオオナモミ?ということ、2つ目はオナモミは秋じゃないの?ということです。

 1つ目については、梅沢さんも私と同じ疑問をもっていましたが、夏井先生の解説がとても分かりやすかったです。オナモミは大昔(アジア)大陸から入って来た帰化植物で、現在は絶滅危惧種であること、オオオナモミは侵略的外来種ワースト100に入っていることなど、初めて知ることでした。

 自分なりに調べてみたところ、オオオナモミは北アメリカ原産で日本では1929年に西日本で確認され、今では東日本まで勢力を拡大し、オナモミは1960年代には西日本で絶滅が確認され、今では東北地方の一部でしか見られないそうです。梅沢さんや私の子どもの頃はオナモミが普通にあり、フジモンの子どもの頃はオオオナモミに変わっていたのでしょうね。

 2つ目については、フジモンは「ラジオ体操が終わった後、みんなで投げ合って遊んでいた思い出を俳句にしました。」と説明していましたが、私の疑問は夏休みの頃はまだオナモミは実がなっていないのではないかと思ったのです。オナモミ(オオオナモミ)は、晩夏から初秋の季語となっているので俳句としては成立するのでしょうが、オオオナモミを投げ合った思い出を俳句にしたというのはちょっと違うのではないかと思ったのです。ちなみに現代俳句ではラジオ体操は夏の季語になっているそうです。季重なりになるのではないかと思ったのですが、夏井先生は触れませんでした。

 私の庭では、オナモミはお彼岸に花が咲きました。

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f:id:myuu-myuu:20201004123924j:plain 上にあるつぶつぶしたものが雄花、下のいがいがしたものが雌花です。正直言ってオナモミの花を観察したのは今回が初めてです。炎帝戦の疑問を解決しようと思ったからです。雄花と雌花があること、栗と同じように風媒花であることなどを知りました。

 一週間後の様子です。

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 雄花は花が終わると茶色になり落ちてしまいます。雌花はどんどん大きくなり、倍ぐらいの大きさになります。オナモミの実の大きさは0,8~1,4×0,6~0,8㎝、オオオナモミは1,8~2,5×1,0~1,8㎝ぐらいの大きさだそうです。熟すとオナモミは黄緑色だそうですが、オオオナモミは褐色に変わるそうです。

 図鑑で葉を照らし合わせたり、実の大きさを測ってみたりすると、やはり私の庭のオナモミオナモミではなくオオオナモミのようです。

 私が子どものころ、オナモミのことを「どろぼう」と言っていたような気がします。オナモミという名前を知りませんでした。 夫に聞いてみたところ、夫も「どろぼう」と言っていたということです。「どろぼうをくっつけて歩いている」とか「どろぼう投げっこしよう」とか言ったような気がします。今は、「ひっつきむし」とか「くっつきむし」とか言うようですが、私が子どものころは使わなかった言葉です。

 オナモミの方言としては、「ひっつきむし」「くっつきむし」「ばか」「どろぼう」という言葉が多いそうです。「ひっつきむし」「くっつきむし」は子孫繁栄のために種が動物の体にくっ付いて運ばれるという植物の特性を示しています。「ばか」や「どろぼう」は、普通の人が歩かないような所を歩いて種をくっつけてくるのは「どろぼう」であり、それに気づかないのは「ばか」だということを意味しているようです。最近では「ばか」や「どろぼう」はあまり使われなくなって、「ひっつきむし」や「くっつきむし」という言葉を使うことが多いようです。

 第2次世界大戦後に発見され、急速に広がりつつあるイガオナモミという帰化植物もあるそうです。オナモミ(雄ナモミ)に対して、メナモミ(雌ナモミ)という植物もあるそうです。植物の世界はおもしろいですね。