連日、冬らしい日が続き、まつこの庭はすっかり霜枯れて寂しい庭になってしまいましたが、温室ではランが開花シーズンを迎えようとしています。
温室の中でも暖房機の側の1番の特等席に居るのがバンダです。バンダは熱帯アジア原産なので、大の寒がりです。現地では1年中咲いているそうですが、日本では年に2回咲けば上出来と言われているほどですが、何と今年は3月、5月、8月、そして今回と1年に4回も開花したのです。昨年は2回、一昨年は3回咲きました。このバンダはミカドブルーと言う名ですが、花が咲きやすい種類なのかもしれません。
前に咲いたものと比べると花がやや小さく、花色も薄く、花数も少ないような気がしますが、4回開花は新記録です。
↑ 3月に咲いた花 ↓ 5月に咲いた花
↑ 8月に咲いた花
バンダは葉と葉の間から花茎を伸ばして数個から10個位の花を付けます。花が終わると花茎ごと枯れます。次の花はその上の葉と葉の間から花茎を伸ばして咲きます。ホヤのように同じ所に咲くわけではありません。
バンダは熱帯アジアを中心にインドからインドネシア、オーストラリア北部を経てソロモン諸島に至る広い範囲に分布しています。日本に自生しているフウランはこの仲間だそうです。
温室の中では、他にもこんな植物が花を咲かせています。
↑ アンスリューム・スカンディス・ヴィオラセナムの花 ↓ 実
アンスリュームと言うと赤いビニールの様なハート形の花(実はガク)を連想すると思いますが、このアンスリュームは紫がかったピンク色の実を楽しみます。花は目立たず、いつの間にか実が生っている事に気付きます。これも年中実を付けているような気がします。
↑ セントポーリア ↓ 原種シクラメン・コーム
中国南西部からパキスタン原産で和名は黄花亜麻と言います。中国では春先に咲くので、迎春柳と呼ばれます。日本の寒さには弱いのでふゆは室内に取り込みます。無加温の室内だと3月頃の開花になりますが、私の温室では例年12月には咲いてしまいます。
↑ ↓ ビルベルギア・ヌタンス
ヌタンスはパイナップル科の植物で、和名はヨウラクツツアナナスと言います。鮮やかなピンク色の苞からイヤリングのように下がった緑とピンクと黄色と紺色の縁取りのある花は色の取り合わせがエキゾチックです。初めてこの花は見た時は、余りにも不思議な色の通り合せに衝撃を受けました。
耐寒温度が5℃ぐらいなので、やはり冬は室内に取り込みます。無加温の室内で3月頃に花が咲きますが、私は温室に入れてしまうので、例年は1月半ばごろ開花します。今年は1か月近く早い開花です。
↑ 赤く色付き始めたポインセチア
温室内に根を降ろしてしまったポインセチアは、昨年はクリスマスの時はすっかり赤くなっていたのに、今年はやっと今頃色付き始めました。昨年が早すぎたのであって、今年が例年並みです。お正月過ぎに見頃を迎えます。
↑ ↓ 温室内の様子
シンビジュームがたくさんつぼみを付けて開花を待っています。去年たくさん咲いたせいか、今年は花芽をもっているものが少ないように思います。
これからの時期、温室は一番賑やかなシーズンを迎えます。猛暑だった今夏がラン達にどんな影響を与えるか、ちょっと心配でもあります。