5月に入りました。今日5月1日は雑節の一つである八十八夜です。(雑節は日本独自の暦で、日本の気候や生活、特に農作業に合わせた季節の移り変わりをより細かく示すために作られました。)八十八夜は立春から数えて88日目に当たり、例年なら立春は2月4日で八十八夜は5月2日の事が多いのですが、今年は2月3日だったので1日早く5月1日です。
「八十八夜の別れ霜」という言葉が示す通り、この頃から霜が降りなくなると言われています。農作業が本格化する時期になり、昔は稲の種蒔きの時期でしたが、今は田植えが始まる時期です。私の住む地域でもゴールデンウイークが始まると共に田植えが本格化しています。温暖化が騒がれていますが、田植えの時期が早くなることはなく、ここ何十年と変わらないですね。やはり「八十八夜の別れ霜」は今も生きているのですね。一昨日連日夏のような天気が続いていたのに突然北海道は雪に見舞われましたからね。私は温室から夏の植物を出すのは、ゴールデンウイークが終わってからと決めています。
また「夏も近づく八十八夜~♪」で始まる茶摘み歌のように新茶の時期でもあります。私が嫁いで来たころは畑に茶の木が植えてあり、実家の母や妹まで頼んで、家族総出で茶摘みをしたものです。昔はこの辺の地域では、家で摘んだ茶葉でお茶を作るのが普通でしたが、今は茶の木は切られて、茶摘みの風景は見られなくなりました。
今の時期、私の庭ではこんな花が見られます。温室では初夏のランが花を咲かせています。
↑ デンドロビューム・ブロンカルティエ ↓ デンドロビューム・ファメリー
パンダカンアオイも咲いています。
↑ ↓ パンダカンアオイ(中国原産)
パンダカンアオイ中国原産の大型のカンアオイで、花が白と黒のビロード状の色合いから、パンダアオイと呼ばれています。花を見ると納得です。私の所に来て4年目ですが、一昨年は花が1つ、昨年は2つ、今年は何と5つも咲きました。順調に育っているようで、嬉しいです。
庭ではフジの花が咲いています。
↑ シラユキゲシ(中国原産) ↓ ハルジオン(北アメリカ原産)
今年のハルジオンはとてもピンク色が濃いです。普通は白か淡いピンク色です。
↑ 斑入り葉ナルコユリ ↓ ワニグチソウ
ナルコユリとワニグチソウの花はよく似ていますが、ナルコユリは花をたくさん付けますが、ワニグチソウは2個だけ花を付けます。ワニグチソウは漢字で書くと鰐口草で、花の形を神社の軒に吊るされた鰐口に見立てたそうです。
隣の家との境界付近にあるモチ、椿、柚子、ベニカナメなどの木が大きくなり、隣に枝が張り出したので、切ることになりました。シルバーの人が数人作業に入るので、邪魔になる心配があったので、大事な下草を移動しました。クリスマスローズやギボウシ、エビネなど大株になったものを10数株掘り起こし、別の場所に移動しました。その時、エビネを掘り起こすと根がまさにエビのように連なっているのを見て、エビネの名に納得しました。ナルコユリとは違う植物があるのにも気付きました。調べるとワニグチソウ、初めて知る名でした。普段あまり足を踏み入れることが無い場所に思わぬ発見がありました。そしてくりくり坊主になった木たちを見て、ああ私にはできないなあと心情的にも、体力的にもしみじみ思いました。