まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

カールドン

 私がカールドンと出会ったのは、今から20数年前でした。花好きの友人の庭で初めて見た時、「何これ?」と驚かされました。こんな花です。

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 今わたしの庭で咲いています。一見ただのアザミに見えますが、花の大きさが握りこぶしぐらいあるので、ジャンボアザミと思ってください。

 「えっ!? これってアーティチョークじゃないの?」と思った人もいるかも知れません。図鑑で調べても、ネットで調べてもカールドンとアーティチョークは混同されて紹介されています。図鑑でアーティチョークとしてカールドンの写真が載せられていたり、ネットでカールドンとしてアーティチョークやカールドンの写真が一緒に載せられたりしています。アーティチョークはこれです。

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 総苞というガクの部分が明らかに違います。カールドンはガクの先が尖がってトゲになっていますが、アーティチョークのほうは先が凹んで丸みを帯びています。アーティチョークはつぼみを茹でて食べますが、カールドンの方はトゲがきつくてとても食べられそうにありません。

 カールドンはキク科の植物で、地中海からアフリカ大陸沿岸のカナリア諸島の原産で、和名はチョウセンアザミ、高さが2メートル前後になります。カールドンはアーティチョークの原種だという説も有ります。

 5月ごろから背が伸び始め、6月にはつぼみが見え始め、7月になると花が咲きます。花が終わると茎が枯れ、秋になるとまた新しい芽が出て、葉を広げ、冬を越します。玄関横で真冬でも大きな葉を広げているので、私の家を訪れる人の目を引くらしく、必ず「これは何ですか?」と聞かれます。

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 ところが20年も我が家の庭で存在感を示していたカールドンですが、一昨年の秋の長雨で新芽がとろけてしまい、翌春再び芽を出すことはありませんでした。

f:id:myuu-myuu:20190718111727j:plainこれは枯れる前の株で、茎が5本も6本も立ち、株回りは1メートル、背丈は3メートルもありました。それまで毎年当たり前のように花を咲かせていた株がなくなると、寂しくなりました。それで昨年、以前種から増やした株を花友に分けてあげたので、それを株分けしてもらい里帰りさせました。花友の所では株が大きくなりすぎて持て余していた所なので、渡りに舟でした。

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 3株里帰りしたのですが、これだけしか生き残りませんでした。カールドンは地中海原産なので、乾燥した環境を好みます。私の庭はもともと湿り気が多いのに、このところ秋の長雨が長く、どうしても新芽がとろけてしまうのです。

 私はこのカールドンをよそのお庭で咲いているのをあまり見た事がありません。植物園では見たことがありますが、葉の形がちょっと違っています。もっと細いのです。先日埼玉のヘメロカリス農園で見かけたのも花は同じですが、葉は細かったです。

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 園主もやっぱりアーティチョークだと思っていたようで、カールドンの存在を教えてあげたら、カールドンかも知れないと思ったようです。

 いまだにアーティチョークとカールドンはどう違うの? それとも同じものなの? そもそも私の庭のカールドンは本当にカールドンなの? と疑問は残ります。何もそんなに拘らなくてもと思われるかも知れませんが、カールドンという名前で株を分けて貰ってから20数年、私にとってはアーティチョークではなくあくまでカールドンなのです。