9月になっても日中は暑いですが、さすがに朝夕は涼しさを感じます。
「まつこの庭」では、8月の終わりにもうヒガンバナが咲いてしまいました。
ヒガンバナは名前の通り、秋の彼岸の頃にさくのでこの名があります。土中の球根から茎だけを伸ばし、赤い花火のような花を咲かせます。花が枯れると晩秋に細い葉をロゼット状(地面に覆いかぶさるように葉を広げること)に出し、冬を越し、春になると枯れます。葉と花を同時に見られないので、「葉見ず花見ず」とも言われます。韓国では、ナツズイセンのことをヒガンバナと同じように葉と花を同時に見られないので、「葉は花を思い、花は葉を思う」という意味で、「相思華」と呼ぶそうですが、ヒガンバナもそう呼ばれるそうです。また曼珠沙華(マンジュシャゲ)という別名もありますが、サンスクリット語で「赤い華」という意味だそうです。赤だけでなく、黄色や白のヒガンバナの園芸種もあります。
ヒガンバナは、中国から稲作と共に伝えられたそうです。球根に毒を持つので、それを食べると「彼岸(死)しかない」と言われ、ヒガンバナの名にはそういう意味もあったようです。農作物やお墓を荒らす動物除けに、田のあぜ道やお墓の周りに植えられたそうです。「庭に植えるものではない」と忌み嫌われたのは、お墓の周りに植えられ「死人花」という名前もあったからでしょうね。
一方、球根に含まれる毒は水溶性で、水によくさらせば毒のないでんぷんとなり、食用にすることも可能であったようです。毒があることで年貢の対象外とされたこともあり、昔の人は、飢饉の非常用食料として田のあぜ道に植えたようです。第二次世界大戦中にも、非常用食料として利用されたそうです。だから今でも田んぼのあぜ道にヒガンバナの大群生が残っているのですね。
最近は毒成分の一つが、アルツハイマーの治療薬としても利用研究がされているということなので、驚きです。
「まつこの庭」にはお盆のころから秋の山野草の花が咲き始めます。
今回は、初秋の山野草の花を紹介します。
↑ シュウメイギク・ダイアナ ↓ シュウカイドウ
↑ 斑入りミズヒキソウ ↓ ヤブラン
↑ 香りギボウシ ↓ キハギ
↑ ハゼラン(サンジソウ)午後3時ごろになると花が咲きます。
↑ 斑入りフジバカマ
ミョウガの花は茎とは別に花だけ出ます。ミョウガとして食べているのが、この花の部分です。花が一つずつ次々に咲いていく様子は、福神草に似ています。