ここ数日、朝は冷え込んでも、日中は春のような暖かい日が続いています。お天気が良いと外に出るのが苦でなくなり、庭仕事がはかどります。遅れていたバラの植え替えや剪定、施肥などを行いました。
まつこの庭では、クリスマスローズの開花が始まりました。鉢植え、庭植えそれぞれ50株ぐらいずつあるのですが、昨年の夏の猛暑でたくさんの株が枯れました。生き残ったものも花が咲きそうにないものやつぼみをもっても花数が少なそうなものばかりです。
↑ 白ダブル咲き ↓ ピンクフラッシュ(すじ模様)ダブル咲き
クリスマスローズはキンポウゲ科の宿根草で、クレマチスやアネモネの仲間です。原種は約20種ですが、主にヨーロッパに広く自生し、その多くは地中海沿岸のバルカン半島の海岸付近から山岳地帯に分布しているそうです。
クリスマスローズの花のつくりは、外側の5枚の花弁と思われている白い部分が実はガクで、
花弁は退化してガクの元にある緑色の小さなつぶつぶした部分でネクタリー(蜜線)と言います。ネクタリーは虫を呼ぶために甘い蜜を出すそうです。このネクタリーの部分が花弁化するとダブル(八重)咲きやセミダブル(半八重)咲きとなります。
☆☆☆ シングル咲き ☆☆☆
↑ ピンクフロスト ↓ 地植えの古い品種
☆☆☆ セミダブル咲き ☆☆☆
上の花も下の花も同じ白地に紫の糸のような細い縁取りが入って、ネクタリーが花弁化した内花弁は筒形です。上は花弁の形が尖っている剣弁で内花弁にもピコティが入っていますが、下は花弁が丸弁で内花弁にはピコティが入っていません。どちらも時間が経つと内花弁は落ちて、ガクの部分だけ残ります。
☆☆☆ ダブル咲き ☆☆☆
↑ 赤ダブル ↓ 白ミスト(霧のような細かい点模様)
↑ 赤(表側)と白(裏側)のバイカラー(2色)咲き ↓ そのつぼみ
☆☆☆ 原種クリスマスローズ・ニゲル(ノイガー) ☆☆☆
クリスマスローズと言うとこのニゲルを指すことが多く、オーストリア、イタリア、クロアチア、ドイツなどが原産地です。ニゲルは「黒色の」という意味で、根が黒いことからこの名があるそうです。クリスマスローズの中では一番早くクリスマスの頃に開花するので、この名があります。ヨーロッパでは古くから知られている原種で、教会での供花に使われたり、クリスマスカードや切手などのモチーフに使われたりするそうです。
↑ ニゲルシングル ↓ ニゲルダブル
↑ ↓ ニゲルダブル
↑ ↓ ピンクニゲルシングル
↑ ピンクニゲルセミダブル
クリスマスローズは、日本へは江戸時代の終りごろにヨーロッパから薬用植物として入り、一部の植物好きの人によって栽培されていたそうですが、広く普及するようになったのは、2000年ごろのガーデニングブームのころだったそうです。初めは白やくすんだピンク色など地味な色の一重咲きだった花が、ここ20年の間に改良を加えられ、色もクリアーなピンクや赤、黄色など、花の形や大きさも咲き方もバリエーション豊かに進化し、人気の花となりました。
私がクリスマスローズを育てるようになって、17,8年になります。一時は夢中になり、自分で交配したクリスマスローズの花を咲かせたこともありました。クリスマスローズは寒さに強いといわれますが、私の庭は湿り気が多いせいか、クリスマスローズにはあまり合っていないようで、たくさん枯らしました。私の庭で生き残れるのは、一重咲きの素朴な花色のものだけで、大事なダブルやセミダブルのものは鉢植えにしています。それでも夏の暑さや湿度に弱いクリスマスローズは枯れることが多いです。それが以前ほど夢中になれず、少し離れるようになった理由かもしれません。