まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

コンニャクの花

 これは何でしょう?

 「えっ!! これ何?」「気持ち悪い!!」「グロテスク!!」と思った方はたくさんいると思います。これはコンニャクの花です。Devil's Tongue(悪魔の舌)の異名を持つだけに、形といい、色といい、奇妙な花です。ニューと突き出たものは悪魔の舌に見えるかもしれません。

 そう言われても、「そもそもコンニャクの花って何?」と益々混乱する方もいるでしょうね。コンニャクというと、大多数の人はあのおでんなどの具材の四角形や三角形に切られたコンニャクを思い浮かべると思います。コンニャクの花は正確に言うと、コンニャクの原料であるコンニャク芋の花なのです。そもそもコンニャク芋すらほとんどの人は見た事がないと思いますし、コンニャク業者すら花を見ることが珍しいそうですが・・・・・。コンニャク芋は5,6年ぐらい育てると花が咲くそうですが、3,4年ぐらい育てて出荷するのでコンニャク畑で花を見ることはめったにないそうです。

 私が「まつこの庭」でコンニャクの花を見るのは、今回で4回目です。初めて見たのは10年以上も前でしたが、2回目は2019年、3回目は2020年、そして今回です。初めて見た時にはその異様な姿に驚きましたが、今はそれほど驚きません。このコンニャクは亡き義母がコンニャクを手作りするために、庭に植えておいたものです。時々思い出したように花を咲かせます。

 今回コンニャクの花を見つけたのは4月の半ばでした。

 オーニソガラムが盛りの頃でした。背丈は50㎝程度でした。今まで見たのは、左側のような形をしていて1本でしたが、今回は違う形のものが2本も出ていて驚きました。右側はずいぶん丸々としていてちょっと形が違うなと思いました。1個のコンニャク芋からは花は1本だけかと思っていたのですが、今回は2本です。

 それから2週間後、5月初めには、赤紫色の棒のようなものが突き出てきました。左側は細長く、右側は丸い形をしています。見つけた時は右側の方が背が高かったのですが、同じぐらいの高さになりました。

 そして、更に2週間、見つけた時から約1か月後、今の様子です。背丈は1mぐらいになりました。左側の細長い方が背が高くなっていました。

 真ん中の棒状のものは更に伸び、棒状のものを包んでいたものは広がりました。棒状のものを「肉穂花序(にくすいかじょ)」と言い、ひらひらと広がっているものは葉が変形したもので「仏炎苞(ぶつえんほう)」と言います。コンニャクはサトイモ科の植物で、先日紹介したウラシマソウやカラー、ミズバショウなどの仲間です。

 反対側から見ると、

 肉穂花序の下の方に白っぽいつぶつぶしたものが見えますが、

これは雄花の集まった雄花群、さらにその下に黒っぽいつぶつぶしたものが雌花の集まった雌花群と言うそうです。

 花弁はなく、受粉はハエの仲間が行います。そのために開花が始まるとハエが好きそうな強烈な臭いを発します。つくば植物園で咲くショクダイオオコンニャクは人が近づけないほどの臭いだそうですが、コンニャクの花はそれほどではありません。表現しづらい臭いで、決していい匂いではありません。秋にはウラシマソウの赤い実に似たオレンジ色の実がなるそうですが、残念ながら私はまだ見た事がありません。

 コンニャクの原産地は、インド、インドシナ半島など東南アジアですが、食するのは日本、ミャンマー、韓国だそうです。低カロリー食品なので、ダイエット食品や和食ブームで、コンニャクゼリーやパスタの代用として欧米にも広がっているそうです。