5、6年前から夏になると、畑や庭先にスゥーッと茎が伸びたミョウガのような葉の上に紫と白の花を咲かせる植物を見かけ、珍しい花大好きの私は「あれは何という花なのだろう?」と気になっていました。お店で見かけることはなく、夏が過ぎるといつの間にか株ごとなくなり、その存在を忘れてしまう植物、また夏が来ると思い出したように見かけ、また気になる、そんなことの繰り返しの不思議な植物。
今年ついにその花を、JAの直売所で売られているのを見つけたのです。福神草(フクジンソウ)という名前がついていました。「まつこの庭」に新しい仲間が増えました。
遠くから見ると紫と白の花に見えましたが、実際はつぼみがワインレッドで、花が開花し始めると苞(ガクのようなもの)がピンクで花びらは白く薄いクレープペーパーのようでした。しかもこの花は1日花で夕方にはしぼんでしまいます。
茎も赤いです。葉は本当にミョウガそっくりです。
背丈は1メートル位です。出たばかりの茎はまだ緑色をしているので、日に当たると赤くなるようです。
ネットで調べて、インド原産、ショウガ科の植物ということが分かりましたが、その他育て方など詳しいことは分かりませんでした。手に入れたのはいいのですが、育て方などの情報がなくて、困りました。
福神草を手に入れてから10日後、偶然車で通りがかりに畑に100株ぐらい福神草が植えてあるのを見つけました。あまりのすごさに圧倒されてしまいました。ずうずうしくその畑の持ち主のお宅を訪ねて、育て方を教えていただきました。
<福神草の育て方>
① 5月の連休の頃、50センチメートル四方の土地(土の質は選ばないそうです。) を深さ30センチメートルぐらいよく耕します。スコップ1杯の有機肥料(牛糞や鶏糞など)と一握りの化成肥料を入れてよく混ぜます。
② 福神草の球根(ショウガに似ているそうです。)を①の上に置き、土を山形にかけます。水をたっぷりかけます。芽が出て、夏に花が咲きます。最初は茎は2、3本ですが、夏の終わりには10本ぐらい茎があがるそうです。
③ 晩秋、霜が降りて葉が茶色になったら、茎を切って球根を掘り起こします。深さ約1メートルぐらいの穴を掘ってその中に球根を入れて土をかぶせて、土の中で冬越しをします。掘り起こすときの目印になるようにひもで球根を結ぶとよいそうです。
④ 5月の連休頃、土の中から球根を掘り起こし、球根に芽がついているのを確認して5~6個に分けて、①のように植えつけます。
※ 株で手に入れたときも①のように植えつければよいそうです。
植木鉢で育てると、テラコッタや陶製だと球根が増えて、鉢が割れてしまうそうです。地植えがお勧めということでした。上手に育てれば、1株から10株に増えるのはすぐだそうです。