晩秋から早春の花の少ない時期に、玄関前を彩ってくれるのは、パンジーやビオラの寄せ植えです。寒さに強く、色や形、大きさのバリエーションが豊かで、花期が長いのが特徴で、この時期欠かせない花たちです。
花友が、「ここだけ春だね。」と言ってくれた言葉がうれしいです。寒中なので、大分花が傷んでいるのにもかかわらず・・・。
今でこそ大小さまざまな色もカラフルなパンジーやビオラですが、もともとは約200年ほど前にイギリスで自生する野の花であるビオラから改良が始まったそうです。より花を大きくしたり、限りなく円に近い花形をめざしたりして作られたのがパンジーで、それをもとにフランスで約150年ぐらい前に、花色をよりクリアーにし、はっきりしたブロッチ(花の中央にある円形の模様)のある品種が作られたそうです。
日本では1950年ごろに欧米の品種を日本の気候に合わせて早咲きにしたり、花色をより鮮明にする改良が始められ、1966年にサカタとタキイの作り出した品種がアメリカで賞を取ったことにより、一般家庭に普及し、更に改良が進んだそうです。
花を大きくする一方で小さくする改良も進められ、1990年にビオラが発表されて以来、パンジー、ビオラともに改良が加えられ、花色、形、大きさともにバリエーション豊かになっていったようです。
現在は、パンジーとビオラの交配の中間タイプの花が出回るようになっていて、パンジーとビオラの区別がつかなくなっているようです。花径3㎝以下をビオラと言うそうです。花径1㎝の極小輪ビオラも登場しています。
私は、ビオラが好きです。小さな花がびっしりと咲き、パンジーよりも寒さに強いように思います。10年ぐらい前は、ビオラは単色、しかも赤とか黄色といったはっきりした色だけだったように思いますが、最近は色も2色咲きや淡いピンクやラベンダー色、アンティーク調の色など、形もフリル咲き、ウサギの耳形咲きなど、色も形も豊富になってきて、楽しみが増してきました。パンジーの八重咲きはありますが、残念ながら、ビオラの八重咲きはまだ見たことがありません。
↑ ビオラのフリル咲き・ミルフルの寄せ植え
↑ ウサギの耳形咲きの寄せ植え
↑ 青と黄色の2色咲き・モルフォ(モルフォ蝶をイメージしているそうです。)奥の左がパンジーで右がビオラですが、写真ではほとんど区別がつかないですね。
↑ アンティークカラーのビオラの寄せ植え
↑ 八重咲きパンジー
私が高校生の頃、父が庭に板とビニールで囲った簡単な温室(?)を作ってくれました。無加温なので、それほどの保温効果はなかったですが、この中で自分で種から育てたパンジーを冬に花を咲かせ、友達にプレゼントして喜ばれたものでした。それが1960年代の終わりごろでしたから、ちょうどサカタやタキイのパンジーが注目を浴びていた頃だったのですね。
今でも、パンジーやビオラを種から育てます。8月の終わりに「虹色スミレ」(パンジー)と「よく咲くスミレ」(パンジーとビオラの交配種)を撒きましたが、昨年の秋は長雨続きでせっかく出た芽も半分はとろけてしまいました。残った苗はやっと花が咲き始めたところです。
↑ よく咲くスミレ(ライチとソーダ)とキンギョソウの寄せ植え(ライチはラベンダー色、ソーダは青色)これは買った株を早めに寄せ植えしたものです。↑ 虹色スミレのストロベリーポット植え(自分で種を蒔いたものです。ポケットは6個あるのですが、花が咲く前に植えこんだので、色が偏ってしまいました。)
今は寒の時期、花も株も大部傷んでかわいそうです。早く寒が明けないかなあと心待ちにしています。