9月になっても連日34,5℃の猛暑だったのが嘘のように、ここ2,3日気温が25,6℃位で過ごしやすい日が続いています。体が楽になっただけでなく、乾きが緩やかになり、時々雨も降るので、草花の水かけも楽になりました。
初夏に花友からもらったワタに花が咲き、実が付きました。ラベルには茶、緑、白とありましたが、これはどうやら実の中の綿の色のようです。
↑ 茶のワタの花 ↓ 緑のワタの花
↑ 白のワタの花 茶のワタの花はいくらか赤みがかっていますが、緑と白は花色に違いはそれほどないように思います。花はこれ以上開かないようで、花を横から見ると、こんなふうです。
ワタはムクゲやフヨウ、ハイビスカスなどと同じアオイ科の植物で、中国、インド、北アメリカなどの原産です。
↑ ムクゲの花 ↓ フヨウの花
ムクゲやフヨウ、ハイビスカスなどは主に花の鑑賞を目的としていますが、ワタは実から採れる綿の繊維を利用して布団の綿や木綿布などに加工します。ワタは同じアオイ科でも、実を食用にするオクラや、茎や葉を紙や布に加工するケナフに近いかもしれません。
↑ 茶色のワタの実 ↓ 緑のワタの実
↑ 白のワタの実 花の開花後約1か月ぐらいで熟すと先が割れて綿が飛び出すそうです。ちょっと楽しみです。
ワタは「世界史を変えた50の植物」(ビル・ローズ著、原書房)の1つに挙げられています。ワタはイギリスの産業革命やアメリカの南北戦争などに大きな影響を与えたそうです。今、テニスの全米オープンで大阪なおみさんが黒人差別に抗議しながら優勝を勝ち取ったことが話題になっていますが、その黒人差別はこのワタの栽培に多くの黒人が奴隷として過酷な労働に従事したことに端を発しているそうです。私が若い時に観た映画「風と共に去りぬ」の世界です。アメリカの礎を作ったと言っても良いほどの綿の栽培とそれを支えた黒人の人達は感謝されてもいいはずなのに、150年以上も前に奴隷は解放されたはずなのに、未だに差別が続くアメリカは何と古い考えに支配されているのでしょう。