今回はまつこの庭の温室で咲いたデンドロビュームです。原種のデンドロビュームがいくつか咲いています。ノビル系と言われる普通のデンドロビュームは冬咲きが多いですが、原種系のデンドロビュームは春咲きが多いです。春のラン(2)でブロンカルティエ・紅ボタンのことを書きましたが、やはり3鉢一斉には咲きませんでした。株によっては花芽の大きさに違いがあり、生長の度合いも異なったからです。
1鉢目は、2つ花芽があり、2つ目が咲くころには1つ目は咲き終わっていました。この花の反対側に咲いていました。
2鉢目は花芽が3つありましたが、3つ目が咲くころには1つ目(右上)が大分傷みましたが、かろうじて3つ同時に花を見ることができました。
3鉢目は花芽が6つだと思っていたら、7つあってビックリです。株の周りに花芽が付いているので、たとえ一斉に開花しても1枚の写真には収められません。
左下の花だけ咲くのが遅かったです。
ブロンカルティエはインド原産です。紅ボタンはその中でも色が濃いです。例年なら5月頃初夏の頃に咲くイメージがあったのですが、今年は少し早く咲いたようです。3鉢もあったので、咲き始めから約1か月間花を楽しむことができました。
↑ ↓ ピエラルディ(アフィルム)
ピエラルディは、ネパールから中国南部、マレー半島に自生しています。ピエラルディは2鉢ありますが、株分けしたものではないので、花がちょっと違います。ブロンカルティエは60~70㎝位の茎から20~30㎝位の花茎が下垂しますが、ピエラルディは茎そのものが下垂します。茎の長さは60~90㎝ぐらいになります。
ピエラルディによく似ているのがロディゲシィです。
↑ ロディゲシィ ↓ ピエラルディ
ロディゲシィは中国南部からヒマラヤ、インドシナ半島に自生しています。ロディゲシィも茎が下垂しますが、茎は10~15㎝位で短いです。
↑ キンギアナム オーストラリア東部に自生します。花は茎の頭頂に付きます。
↑ アグレガタム × ジェンキシー アグレガタムは中国・雲南から東南アジアに自生します。アグレガタムは長さ10㎝位の茎の頭頂から10~30㎝位の花茎を下垂させ10~15個の花が付くのですが、これは交配種のせいか、花茎も短く花数も少ないです。ジェンキシーはアグレガタムの変種で花が1個しか咲かず色も淡いそうです。
↑ スミリエ・アルバ オーストラリア、ニューギニアに自生します。普通種はピンク色ですが、これは白です。長さ5~15㎝位の花茎に房状に花を付けます。花はこれ以上開きません。4本の茎にそれぞれ1個ずつ4個の花芽が付いたのですが、途中でダメになり、残念ながらこれ1個しか開花しませんでした。
デンドロビュームは、東南アジアを中心に、北は日本から南はニュージーランドまで、西はインド西部から東はポリネシアまで広く分布し、約1000種あると言われています。日本に自生するセッコクはデンドロビュームの1品種です。
デンドロビュームと言うと竹のように節があり、その節々に花を咲かせるノビル系と言われるものが一般的ですが、コチョウランのような花を咲かせるデンファレ系と言われるもの、フジの花のように花が枝垂れて房状に咲くもの、茎そのものが枝垂れるもの、寒さに強いもの、暑さに弱いものなど、形状、花の咲き方、生育場所など多様多様です。それだけ楽しみの多いランだとも言えます。