今、まつこの庭のビニールハウスでは、50鉢ほどのクリスマスローズが花の真っ盛りです。ここに入っているほとんどがダブル(八重)咲きかセミダブル(半八重)咲きで、大切にしているものです。
前回はダブル咲きの中でも多花弁咲きを紹介しましたが、今回はセミダブル咲きです。クリスマスローズの花の多くが下を向いて咲くので、セミダブル咲きは一見するとシングル咲きにしか見えません。
顔をあげて見ると、こんな風に5枚の外花弁(実はガク)の元に小花弁があります。
クリスマスローズは花が終わってもガクが落ちないので、最近は入学試験のお守りになっているそうです。セミダブル咲きの内花弁は花が終わると落ちてしまい、普通のシングル咲きと同じようになり、つまらないと言う人もいますが、私はセミダブル咲きはいろいろなバリエーションがあり、大好きです。
↑ ↓ ホワイトゴールド(大花弁は白、小花弁は黄)
大花弁も小花弁も同じ色のものもありますが、
中には花弁にピコティ(縁取り)が入ったり、
ドット(点模様)、ミスト(細かい点模様)、ベイン(スジ模様)、ブロッチ(点が集まった模様)などの大花弁の模様が小花弁にも入っているものがあります。↑ ミスト(小さな点模様) ↓ ブロッチ(点が集まった模様)
↑ ベイン(スジ模様) ↓ ドットとベインの混じった模様
バイカラー(2色)咲きのものもあります。
2色(この場合はピンクと淡いグリーンの2色)が微妙に混じっているものもあれば、1枚おきに別の色になっていたり、表と裏が違うリバーシブルになっていたりするものもあります。 ↑ 表側(赤) ↓ 裏側(白)
セミダブル咲きの中には、個体名が付いたラベルが付けられているものがあります。クリスマスローズは2つと同じものがないと言われますが、この個体名が付いているのは、メリクロン株です。人工的に組織培養をして同じものを作り出すことをメリクロンと言います。メリクロンはもともとランの栽培で生み出されたものです。
↑ サクラシフォン ↓ チェリーシフォン
↑ メープルシフォン ↓ イエローオーケストラ
↑ ホワイトオーケストラ ホワイトオーケストラは内花弁が大きくダブル咲きのようにも見えますが、花が終わると内花弁が落ちるので、セミダブル咲きと分かります。ダブル咲きは花が終わっても、八重咲きのまま残ります。
毎年夏は猛暑続きで、暑さに弱いクリスマスローズは夏越しが難しくなっています。鉢植えも地植えも芽が出てこなかったものがたくさんあります。今年辛うじて残ったものは生命力が強いのか、たくさん花を咲かせてくれました。来年また同じ花が見られるといいなと思います。