まつこの庭

私の庭に咲いている花や庭にやってくる鳥や虫たちのことを記録していこうと思います

アケビの実

 9月も終わりです。キンモクセイの香りが辺りに漂う季節になりました。残暑が長引くと言われ、覚悟していたのですが、思いのほか過ごしやすい初秋になりました。その代わり秋の代名詞のように言われる台風が7つも発生し、あちこちに被害をもたらしました。被害に遭われた方には申し訳ないのですが、幸いなことに私の住む地方はほとんど被害を受けずに済みました。私の庭では、背の高い植物の皇帝ダリアやシオン、トウゴマなどが倒れた程度でした。

 今回は私の庭で実ったアケビの実です。

 アケビアケビ科のつる性の落葉低木で、北海道を除く日本、中国、朝鮮の山野に自生しています。茎がつるになって他の木に絡みつきながら成長していきます。私の庭には昔から自生していて、庭のあちこちでユズの木やツバキ、サルスベリなど比較的背が高くなる木に絡みついているのが見られます。この写真のアケビはスモークツリーに絡みついています。

 春の4月初めごろ、花が咲きます。

 春先に伸びた新芽に長い総状花序を出して垂れ下がり、紫色の花を咲かせます。茎の基部に1~3個の大きな雌花、先端に多数の雄花が付きます。花には花弁がなく、花弁のように見えるのはガクで、雌花は中央部に3~9本のバナナのような形をしためしべがあり、雄花には6本のおしべがあります。めしべの元がふくらんで実になるので、最高9本の実が生るということになりますが、たいてい1つのことが多いです。今年は4個も実が付いたので、とても珍しいと思います。葉は掌状複葉で5枚ですが、葉が3枚のミツバアケビもあり、花は暗紅色です。

 実は最初緑色をしていますが、秋になり実が熟すと紫色に変わり、縦に裂けます。その間から白い果肉と黒い種子を覗かせる様子から、「開け実」と名付けられたと言われています。果実は甘く食べることができます。夫は子どもの頃よく食べたと言います。私は何となく食食べてみたいと思わず、まだ食べたことがありません。

 中国名は「木通」(モクツウ)です。漢方では、アケビの木の部分を消炎や利尿剤として利用したそうです。

 同じアケビ科の植物で、アケビは落葉性ですが常緑性のムベと言うつる性の常緑低木があります。見た目や実などよく似ていて、常緑であることが違うことから、ムベを「トキワアケビ」と言う別名もあります。他にも、実が丸く熟しても裂けずに丸いままでいることから「丸アケビ」、アケビに比べて全体がアケビより大きいことから「大アケビ」、実がやわらかくもちのような食感から「モチアケビ」というような別名もあるそうです。ご近所の盆栽仕立てのムベを見て前から欲しいと思っていたのですが、なかなかムベに出会う機会がありませんでした。たまたま近くの花木センターでムベの挿し木苗を見つけました。しかもリーズナブルなお値段でした。

↑ ムベの葉   ↓ アケビの葉

 アケビもムベも、葉は掌状複葉で5枚です。違いは、ムベは暖地性で関東地方南部以西、沖縄、朝鮮南部に自生することと、花色がアケビは紫色ですが、ムベはガクの外側が淡黄色、内側が暗紅紫色であることです。ムベはまだ背丈が50㎝ぐらいの苗なので、いつ花が咲き、実が生るか分かりません。気長に待つことにします。